慢性炎症の原因・初期サイン・改善法について

様々な要因(原因)により、炎症性サイトカインという化学物質が細胞から生成されます。炎症性サイトカインは一旦生じると一つ所にはとどまらず、血管に溶けだし、体中を駆け巡ります。

身体のあちこちが痛むという方がいるが、そのような症状も慢性炎症が引き起こしている可能性があります。

また、慢性炎症を放置していると、アルツハイマー病や糖尿病、癌(がん)、心筋梗塞、さらに脳梗塞など様々な疾患の発症リスクを著しく高めることもエビデンスが証明しています。

従って、慢性炎症は万病の元というわけです。

慢性炎症は万病の元

慢性炎症の6つのサイン

慢性症状の代表的なサインは以下の通りです。半分以上の項目が当てはまるようなら、あなたの身体は慢性炎症状態かもしれません。

  1. 慢性疲労
  2. 肥満
  3. 胃腸障害
  4. 食物アレルギー
  5. 頭痛
  6. うつ症状

慢性疲労

神経科学者であるMary Harrington(Smith College in Massachusetts)曰く、慢性炎症と慢性疲労には強い相関性があると主張しています。

従って、慢性的に疲労感がある場合、体内は慢性炎症状態である可能性が高くなります。

また、炎症性サイトカインが中枢系(脳や脊髄)の概日リズム(circadian rhythm)を崩すとも言われています。つまり、慢性炎症ににより睡眠習慣が崩れるので、不眠などの症状が現れるようになります。

肥満

特に腹部に体脂肪が多い場合、身体の中で慢性炎症が起こっている可能性があります。従って、肥満気味の場合、生活習慣(運動習慣、睡眠習慣、食習慣)を整え、体重をコントロールする必要があります。

胃腸障害

炎症性サイトカインは腸管にある細胞から分泌されます。従って、胃腸のコンディションが悪化は慢性炎症に直結します。

膨満感、便秘、下痢、おなら、吐き気、胸焼けなどは、慢性炎症の初期のサインと考えられます。

胃腸の状態は「大したことない」と考えがちですが、それが長期に渡る場合は対応する必要があります。

食物アレルギー

食物アレルギーは免疫系の過剰反応によるものです。しかし、発症した場合、身体の中では炎症反応が起こっています。

グルテン(小麦に含まれているタンパク質)、卵、乳糖(牛乳に含まれている糖質)、カゼイン(牛乳に含まれているタンパク質)などに対してアレルギーを持っている人は多いです。

この場合の対策は2つです。

  1. アレルギーの原因(アレルゲン)となる食物を食べない
  2. 消化酵素を活用する

自分がどの食物に対してアレルギーを持っているか知っているならば、食べないようにするのがもっとも手っ取り早い方法です。わざわざ、アレルゲンを食べる必要はなく、他にも栄養的に代替可能は食物はたくさんあります。

2つ目の消化酵素についてですが、例えばグルテンの消化酵素にDPP IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)というのがあります。

パスタなど小麦が使われている食物を食べる前にこの消化酵素を摂ることでアレルギー反応が起こらなくなります(乳糖の消化酵素はラクターゼ)。

Now Foods, グルテンダイジェスト
グルテンダイジェストは、グルテンの消化酵素であるDPP IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)が配合された包括的な酵素ブレンドです。また、他のプロテアーゼやアミラーゼも含まれています。

頭痛

慢性的な頭痛も炎症のサインです。

片頭痛患者の血中CRP濃度を調べたところ、非常に強い相関性が認められています(University of Toledo College of Medicine and Life Sciences)。

CRP
CRPはC-リアクティブプロテインの略です。体内の炎症の有無を調べるのに使われる炎症マーカーの一つ

うつ症状

うつ症状の原因は複雑なので、一概には言えませんが、慢性炎症も原因の一つとなり得ます。

なぜなら、うつ病と診断された患者の多くが、体内の炎症レベルが高いことがわかっているからです。

また、これらの患者の多くが炎症性疾患、例えばリュウマチ性関節炎や炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)を併発しています。

産後うつ
産後うつの原因も様々ですが、授乳により体内のDHA量が減少することにより、オメガ3系脂肪酸が減ってしまうことが原因の可能性があります(DHAはオメガ3系脂肪酸の1種)。

慢性炎症の原因

慢性炎症の原因には、栄養、運動、心の3つの原因があります。
  1. 栄養
  2. 運動

本記事ではこれら3つの原因について解説していきます。

栄養不良が慢性炎症を引き起こす

抗炎症作用のある栄養素

慢性炎症を改善させるためには、抗炎症作用のある栄養素を摂る必要があります。代表的なものは、ビタミンA、C、Eです。

また、青魚(特に皮)に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸も強力な抗炎症作用があります。

つまり、三石巌氏やボーリング博士が提唱している活性酸素を除去するような栄養摂取が大切であるということになります。

強力な抗炎症作用のある栄養素=ビタミンA、C、E+オメガ3

活性酸素と抗酸化物質については以下の記事で詳細を解説してありますので、併せてお読みください。

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活性酸素

腸内環境を整えて慢性炎症を撃退

腸内環境を整えることも慢性炎症の予防にとってはとても大切です。腸内細菌(悪玉菌、善玉菌、日和見菌)のバランスを整えることで腸内環境を整えることができます。

腸内フローラ

腸内環境が悪化すると、腸管にある細胞から炎症性サイトカインが分泌されます。これは、一種の抗体反応(アレルギー反応)のようなものです。

腸内環境の悪化は急激に起こるものではなく、その火との悪い生活習慣の積み重ねによるものです。従って、腸管の細胞からは長期に渡り炎症性サイトカインが分泌されていることになります。

善玉菌と悪玉菌

  • 善玉菌;栄養の吸収を良くしたり、免疫を活性化したり、便の排出を良くします。ビタミンB群の一部の産生、短鎖脂肪酸の産生も行っています。
  • 悪玉菌;アンモニアなどの有害物質を産生します。また腸の活動を阻害するので、栄養分の吸収率が低下します。また便秘や下痢の原因にもなります。疲労感や倦怠感を引き起こします。

リーキーガット症候群という疾患をご存じですか?

リーキーガット症候群

リーキーガット症候群では、慢性炎症により腸壁に並んでいる細胞間に隙間が空いてしまっています。

リーキーガット症候群

すると、通常では通過できない大きな分子の塊が流出してしまいます。

この大きな分子が血流に溶けだすと、身体はこの塊を「異物」と認識するためアレルギー反応が起こります。これが、腹痛や下痢などの症状を引き起こします。

つまり、リーキーガット症候群も元々は慢性炎症が原因なのです。

運動不足が慢性炎症を引き起こす

運動することで得られる生理学的効果は以下の通りです。

  1. 血液循環の改善
  2. 基礎代謝の向上
  3. 免疫力の向上

血液循環が改善し基礎代謝が上がれば、炎症性サイトカインが迅速に除去されるので、慢性炎症が改善されます。

また、免疫力が向上すれば、そもそも慢性炎症の状態に陥るリスクも低くなります(予防効果)。つまり、これらの運動による生理学的効果は慢性炎症の改善を促してくれます。

心の状態が慢性炎症を引き起こす

満足感が強い人は、慢性炎症が少ないことが研究で明らかになっています。

しかし、満足感が強くても慢性炎症が強い人がいました。その人を詳しく調べてみてわかったことは、満足感にも二種類あるということでした。

それらは、以下の2種類です。

  1. 快楽型
  2. 生きがい型

これらは同じ満足感であっても全く別物です。

快楽型の満足感では慢性炎症は改善されない

快楽型の満足感というのは、簡単に言ってしまえば『我欲』をモチベーションとしています。

つまり、満たされない自分の欲を満たすことで得られる満足感のことです。買い物をしたり、美味しいものを食べたり、お酒を飲んだりなどによって、満足感を得ています。

生きがい型の満足感こそが慢性炎症を改善させる

一方、生きがい型の満足感は、自分ではなく他者を満たすことで得られる満足感のことです。こちらは『慈悲』をモチベーションとしている。

ボランティアなどはその最たる例です。また、仕事が楽しいと感じられることも生きがい型の満足感と言えるでしょう。

快楽型の満足感を感じている人には慢性炎症が強く生じており、生きがい型の満足感を得ている人では、炎症反応が殆ど生じていなかったことが研究により明らかになっている。

まとめ

  1. 慢性炎症は、アルツハイマー病(認知症)、癌(がん)、心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクを高める(万病の元)
  2. 慢性炎症の初期サインには、慢性疲労、肥満、胃腸障害、食物アレルギー、頭痛、うつ症状がある
  3. 慢性炎症の原因は「栄養不良」、「運動不足」、「不満足感」の3つである
  4. ビタミンA、C、E、オメガ3は強力な抗炎症作用を持つ
  5. 運動は炎症物質の除去にとって効果的である
  6. 生きがい型の満足感を持って生活することが、慢性炎症の改善・予防にとって大切である

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