筋トレをプロテインなしでやっていたことがあります。あくまでも「プロテインを摂らないと筋トレにどのような影響があるのか?」という個人的興味から検証してみたかったからです。
本記事ではその結果について書いてみたいと思います。ただし、全て個人的な見解なので、「プロテインなしの筋トレの影響」は各人で異なります。
おすすめは、自らの身体を使って検証することです。
それでは、いきなり結果からお話していきます。
「プロテインなしの筋トレ」の結果
プロテインなしで筋トレを続けた結果、デメリットしかありませんでした。そのデメリットとは以下の2つです。
- 明らかなパワーダウン
- 異常な肩こり
それぞれについて説明していきます。
明らかなパワーダウン
私のトレーニングは、最初に高重量を扱える種目を選びます。それによって、毎回筋力を確認することができるからです。
例えば、肩(三角筋)のトレーニングであれば、最初にバーベルまたはダンベルのショルダープレスを行います。
全ての部位に対して常に筋力を確認し、それを伸ばしていくことを目標にしています。
プロテインなしで筋トレを開始して、1週間後にはいつもの重量がとても重く感じられるようになりました。そして、今まで少しずつ伸びていた重量が頭打ちになり始めたのです。つまり、プロテインを飲むのを止めたら、顕著にパワーダウンが起こりました。
このとき、「筋肉の収縮率が減っている」感じがしていました。つまり、筋肉に力を入れても(収縮させても)硬くならない感じです。
もしかしたら、プラシーボ効果だったのかもしれません。しかし、このときは明らかにパワーダウンを感じていました。
異常な肩こり
プロテインなしで筋トレを始めて気づいたもう一つのことは、異常な肩こりです。
私は肩こりとは無縁の人生を送ってきました。過去に肩こりで悩んだことは一度もなかったのです。しかし、プロテイン飲まなくなって比較的すぐ(数日内)に肩こりを感じ始め、1週間後にはそれがどんどん悪化していきました。
最初はプロテインとの因果関係にはまったく気づきませんでした。しかし、プロテインの摂取を再開してすぐに肩こりが解消したので、「もしかしたら・・・」と思いました。
そして、決定的だったのは、再びプロテイン摂取を止めたときでした。翌日には肩こりが現れ、日がたつにつれて、症状が増悪。そのとき、確信しました。
プロテイン摂取を再開すると、前回と同じようにその日のうちに肩こりは解消していました。とても不思議な体験でした。
筋トレにプロテインは必須
以上の体験から、筋トレの効果を上げるためにはプロテインは必須のサプリメントであると確信しました。
33年間のボディビル人生を通じて、ありとあらゆるサプリメントを試してきました。しかし、プロテインほど効果を体感できたサプリメントは他にありません。
そのことは、実験的にプロテインをストップしたことで、確信に変わりました。
それでは、なぜプロテインを飲まないことで、このようなことが起こったのでしょうか?特に2つ目の「プロテイン摂取と肩こり」の関係は不可解です。
ホエイプロテインは肩こりの解消に効果的?
そもそも肩こりはどのようなメカニズムで起こるのでしょうか?
悪い姿勢(猫背)は確かに肩こりの原因になりますが、プロテインを飲むことで姿勢が改善されると考えるのはナンセンスです。
疲労物質の蓄積はどうでしょうか?上部僧帽筋に疲労物質が蓄積することで、肩こりが生じたとする考え方です。こちらは、もしかしたらプロテインを飲むことで改善するかもしれません。
ホエイプロテインの摂取により血圧が低下したとする研究報告
ホエイプロテインに関する研究報告をいくつか読んでみたのですが、「ホエイプロテインの摂取と血圧の低下」についての論文をいくつか見つけました。
- Ágnes A Fekete, Carlotta Giromini, Yianna Chatzidiakou, D Ian Givens, Julie A Lovegrove: Whey protein lowers blood pressure and improves endothelial function and lipid biomarkers in adults with prehypertension and mild hypertension: results from the chronic Whey2Go randomized controlled trial. Am J Clin Nutr. 2016 Dec;104(6):1534-1544. Epub 2016 Oct 26 (http://bit.ly/30HMqFT).
- Kamal Hassan, Fadi Hassan: Does whey protein supplementation affect blood pressure in hypoalbuminemic peritoneal dialysis patients? Ther Clin Risk Manag. 2017; 13: 989–997.(http://bit.ly/2P9JMXZ).
- Ágnes A. Fekete, Carlotta Giromini, Yianna Chatzidiakou, D. Ian Givens, Julie A. Lovegrove: Whey protein lowers systolic blood pressure and Ca-caseinate reduces serum TAG after a high-fat meal in mildly hypertensive adults (https://go.nature.com/30wQubz).
- Jing Yang, Hai‐Peng Wang, Xing Tong, Zeng‐Ning Li, Jia‐Ying Xu, Li Zhou, Bing‐Yuan Zhou, Li‐Qiang Qin: Effect of whey protein on blood pressure in pre‐ and mildly hypertensive adults: A randomized controlled study. Food Sci Nutr. 2019 Apr 21;7(5):1857-1864. doi: 10.1002/fsn3.1040. eCollection 2019 May. (http://bit.ly/2ZyO1R2).
上の4つの研究で使われた被験者は、軽度の高血圧患者であり健常者ではありません。しかし、全ての研究において、「ホエイプロテインによる顕著な血圧低下作用」が報告されています。
和食が高血圧の原因であるとする仮説
もう一つ興味深い研究があります。
ハワイの大学のある研究者が、「日系人が白人に比べ高血圧の人が多い」ことに気づきました。その研究者は「日系人が食べている和食の塩分が原因である」という仮説を基に検証を開始しました。
実験はマウスを使って行われました。マウスを、塩分が高い食事のグループと低塩の食事グループの2つのグループに分けました。
数週間後にマウスの血圧を測定してみると、2つのグループの血圧に有意差は見られなかったのです。そこで、この研究者は再び検証を行います。
次に「和食のグループ」と「洋食のグループ」の2つのグループに分けて、血圧の変化を比較・検討してみたところ、和食のグループの血圧が顕著に上昇していたのです。
この研究者の結論は「和食は洋食に比べてタンパク質の割合が少なく、これが血圧に影響しているのではないか」と考察しています。
つまり、低たんぱく食は高血圧の原因になるかもしれないということです(今の段階ではあくまでも仮説ですが)。
プロテインを飲むと肩こりが解消するメカニズム
血管をホースに例えると、高血圧というのはホースを指で押さえて水の通りを悪くしている状態です。すると、ホースの内側にかかる圧力(内圧)が上がります。これが、高血圧につながります。
従って、高血圧を改善させるには、ホースを抑えている指を放せば良いのです。すると、水はスムーズに流れていきます。
この論理から考えると、血圧の低下があると言うことは、血流(血液循環)の改善もあると考えることに矛盾はないと思います。
肩こりでは、特定の筋肉(例えば上部僧帽筋)への血液循環が悪化しています。筋肉はおよそ80%が水分(血液)なので、血液循環が悪化するとその筋肉は硬くなります。それが、肩こりになります。
つまり、プロテインを飲むことで血液循環が改善し、それが肩こちの解消につながったのかもしれません。
まとめ
本記事では個人的な経験、そしてそれを裏付けるエビデンスの両方をご紹介させていただきました。
個人的には2回プロテインを飲むのを止めて、2回とも筋力低下と肩こりを経験したので、少なくとも自分にとってプロテインは大切なサプリメントであるという認識です。
興味のある方は、ぜひご自身で検証されてみてはいかがですか?