大腿直筋腱炎はサッカーや陸上などの瞬発系競技の選手に好発する疾患です。
主訴は鼡径部の鋭い痛みです。股関節障害(インピンジメント症候群など)との鑑別が必要です。
本記事では大腿直筋腱炎の原因・症状・治療法について解説してあります。
起始:AIIS(下前腸骨棘)、寛骨臼上縁
停止:膝蓋骨底、脛骨粗面(膝蓋靭帯を介して)
作用:股関節の屈曲、膝関節の伸展
神経支配:大腿神経、L2-L4
原因
多くのケースにおいて、反復動作が原因になります。
特に股関節や膝関節の屈曲・伸展の反復によって引き起こされます(ダッシュやジャンプなど)。
症状
鋭い痛みがAIIS(大腿直筋の起始)のすぐ遠位に現れます。内出血や熱感などの炎症反応が認められる場合もあります。
症状はキック(サッカーや格闘技)やダッシュ、ジャンプ(バレーボールやバスケットボール)動作で誘発されます。
検査
触診検査
触診により圧痛部位を確認します。もっとも圧痛が強い領域を特定します。
大腿直筋腱炎の好発部位は筋腱移行部です。従って、AIISのすぐ遠位に鋭い圧痛が触診されます。
運動検査
股関節と膝関節の運動検査を行います。
股関節
- 他動的伸展
- 自動的屈曲(膝関節伸展位)
- 屈曲への抵抗運動(膝関節伸展位)
膝関節
- 他動的屈曲
- 自動的伸展
- 伸展への抵抗運動
なお、膝関節の運動検査は股関節伸展位において行うと陽性反応が出やすい傾向があります。
治療法
アジャスメント
大腿直筋のコンディションに直接的な影響を及ぼす関節は以下の通りです。
- 仙腸関節
- 膝蓋大腿関節
- 大腿脛骨関節
筋膜リリース
大腿直筋腱のリリースを行います。急性期で痛みが強い場合、テンションを調整してリリースを行うようにします。
神経リリース
大腿神経のリリースを行います。
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