尺側手根屈筋の解剖学と関連症状

解剖学(起始・停止・作用・神経支配)

起始;内側上顆(上腕頭)、尺骨近位1/2(尺骨頭)
停止;豆状骨、有鈎骨、第5中手骨底
作用;手関節の屈曲
神経支配;尺骨神経、C8/T1

尺骨神経と尺側手根屈筋

前腕において尺骨神経は尺側手根屈筋の下を走行しています。

尺側手根屈筋腱(遠位)付近において、尺骨神経は手背枝と掌枝に分岐しています。

さらに、ギヨン管(豆状骨と鈎状骨の間)において浅枝と深枝に分岐しています(下図)。

関連症状

肘部管症候群

肘部管は内側上顆の後側にある尺側手根屈筋によってできるトンネル構造です。

肘部管症候群は、肘部管における尺骨神経の絞扼障害のことです。

肘部管において尺骨神経が絞扼されることにより、尺骨神経の知覚支配領域に痺れや感覚鈍麻などの知覚異常が現れます。

尺側手根屈筋には上腕頭と尺骨頭があり、起始においてそれらの筋腹の間に腱膜があります(下図)。

肘部管症候群では、尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間の腱膜において尺骨神経の絞扼が発生しています。

内側上顆炎(ゴルフ肘)

内側上顆炎では、内側上顆に付着している屈筋腱の腱症が起こっています。腱症とは腱の変性のことです。

手関節屈曲の反復動作により、屈筋腱にマイクロトラウマが発生します。それに伴い、腱の線維化(変性)が進行し内側上顆炎に至ります。

内側上顆炎の好発部位は尺側手根屈筋腱と円回内筋腱です。

関連動画

 

 

解剖学の勉強に必須の書籍

イラストの美しさと解剖学的正確さで世界的に定評のある『ネッター解剖学アトラス』の第6版。 今改訂では図の追加・入れ替えに加え、各章末に主要な筋の起始・停止などをまとめた表が掲載。

これまで以上により深い知識を得ることができるようになった。また、前版で好評であった学習サイトStudent Consult(英語版)も引き続き閲覧可能。

学生、研究者からすべての医療従事者に支持される解剖学アトラスの決定版(アマゾンより)

 

大好評のプロメテウス解剖学アトラス、解剖学総論/運動器系が待望の改訂。美麗なイラストに的確な解説文を組み合わせた従来の良さ・強みを残したまま、図版の配置や解説文の推敲を重ね、さらなるわかりやすさを追求している。医師・医学生にとどまらず、全ての医療職の方々から支持される理由は、手に取れば自ずと理解されるだろう。さらに洗練された解剖学アトラスの最高峰。プロメテウスの進化は止まらない(アマゾンより)。

関連記事

尺骨神経はC8/T1脊髄神経から起こります。腕神経叢の内側神経束から分岐した後、尺骨神経となります。

関連記事

走行 尺骨神経はC8/T1脊髄神経から起こります。腕神経叢の内側神経束から分岐した後、尺骨神経となります。 腋窩 尺骨神経は腋窩において、烏口腕筋の内側、腋窩動脈の外側を走行しています。 上腕 上腕の近位1/3では、烏口腕[…]

 

正中神経はC4-T1脊髄神経由来の神経です。腕神経叢の内側神経束と外側神経束が合流した後、上腕部で正中神経となります。その後、前腕部を下行し前骨間神経と正中神経掌枝に分岐します。

関連記事

走行 正中神経はC4-T1脊髄神経由来の神経です。 腕神経叢の内側神経束と外側神経束が合流した後、上腕部で正中神経となります。 その後、前腕部を下行し前骨間神経と正中神経掌枝に分岐します。 前骨間神経は方形回内筋に終始し[…]

 

坐骨神経はL4-S3脊髄神経が束になった後、大坐骨孔を外に出ます。その後梨状筋の下、坐骨結節の外側を通り、大腿後面、下腿後面へと下行していきます。大腿後面において、脛骨神経と総腓骨神経に枝分かれしています。

関連記事

坐骨神経について以下の項目を解説しています。 走行 支配筋 坐骨神経痛 絞扼箇所 坐骨神経の走行 坐骨神経はL4-S3脊髄神経が束になった後、大坐骨孔を外に出ます。 その後梨状筋の下、坐骨結節の外側[…]

記事はいかがでしたか?

こちらには記事を読んでいただいた方にもっとも適した広告が表示されます。

最新情報をチェックしよう!