肘部管症候群の原因・症状・検査法・治療法

原因

肘部管は内側上顆の後側にある尺側手根屈筋によってできるトンネル構造です。

肘部管症候群は、肘部管における尺骨神経の絞扼障害のことです。

肘部管において尺骨神経が絞扼されることにより、尺骨神経の知覚支配領域に痺れや感覚鈍麻などの知覚異常が現れます。

 

症状

肘部管症候群の主症状は手の痺れや痛み、感覚鈍麻です(下図)。

尺骨神経の知覚支配領域における手の痺れ、痛み、感覚鈍麻

検査法

触診検査

尺側手根屈筋の圧痛を触診します。特に内側上顆のすぐ遠位付近に圧痛が触診されることが多いです。

また、筋腹の触診も行います。

整形外科的テスト

肘部管症候群の整形外科的テストにはティネル兆候があります。

尺側手根屈筋の起始から筋腹にかけてタッピングを行い、手の症状(痺れや痛み)が増悪すれば陽性となります。

治療法

筋膜リリース

肘部管症候群では尺側手根屈筋腱や円回内筋腱の変性(線維化)と周辺組織との癒着が起こっています。従って、これらの筋肉(腱)の筋膜リリースを行うと良いでしょう。

神経リリース

尺骨神経が症状に影響を及ぼしていることがあります。その場合、尺骨神経のリリースを行います。

肘周辺における尺骨神経の絞扼箇所は以下の通りです。

  1. 内側上腕筋間中隔
  2. Struthers腱弓
  3. 肘部管

Struthers腱弓はおよそ70%の割合で見られる構造です。

また、内側上腕筋間中隔は烏口腕筋の停止から始まり、前側を上腕三頭筋、後側を上腕筋に囲まれた腱様の下腿組織です。

肘部管は内側上顆の後方にあるトンネル構造です。尺側手根屈筋の2つの筋腹(上腕頭と尺骨頭)によって形成されています。

尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間には腱膜があり、ここが尺骨神経の絞扼障害(肘部管症候群)の好発部位となっています。

アジャスメント

腕尺関節と腕橈関節に可動域制限(フィクセーション)が認められる場合、アジャスメントを行います。

ホームエクササイズ

肘部管症候群では尺側手根屈筋の過緊張・拘縮が起こっています。従って、尺側手根屈筋のストレッチを行うようにします。

尺側手根屈筋のストレッチは、以下のような手順で行います。

  1. 肘を完全伸展位に保つ
  2. 手首を背屈位にする
  3. 上記のポジション(最大ストレッチポジション)で30秒程度維持する

尺骨神経の絞扼障害

尺骨神経の絞扼障害は、肘部管以外においても発生します。

  1. 腋窩
  2. Struthers腱弓
  3. 内側上腕筋間中隔
  4. 肘部管
  5. ギヨン管

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