内側上顆炎(ゴルフ肘)の原因・症状・治療法

  • 2020年5月20日
  • 2020年5月20日
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原因

内側上顆炎の痛みの原因構造には、尺側手根屈筋腱と円回内筋腱があります。稀に浅指屈筋腱が影響を受けていることもあります(ロッククライマーなど)。

これらの腱は、ともに内側上顆に起始を持っています。

  1. 尺側手根屈筋腱
  2. 円回内筋腱
  3. 浅指屈筋腱
  4. 橈側手根屈筋
  5. 長掌筋

メカニズム

手首屈曲の反復動作により、内側上顆に起始を持つ筋肉の腱(尺側手根屈筋腱や円回内筋腱など)にマイクロトラウマ(微細外傷)が生じます。

腱への断続的な負荷により、組織の変性・線維化が進行し、周辺組織への癒着が広がります。

症状

肘内側の内側上顆のすぐ遠位に局所痛が現れます。

痛みは手首を捻る動作(腕相撲や雑巾絞りなど)によって、増悪します。

検査法

触診検査

内側上顆のすぐ遠位部にある腱(尺側手根屈筋腱、円回内筋腱、浅指屈筋腱など)の触診を行い、圧痛の有無を確認します。

整形外科的テスト

内側上顆炎の整形外科的テストには、ゴルフ肘テスト(Golfer’s elbow test)があります。

ゴルフ肘テストの手順は以下の通りです。

  1. 肘関節90°屈曲位、手関節中立位、前腕回外位
  2. 被験者の肘を下から支え、肘を伸展、手首・指を背屈させる
  3. 被験者は肘の伸展、手首・指の背屈に抵抗する
  4. 内側上顆の痛みの増悪が認められれば陽性

鑑別診断

野球肘

野球肘は成長期の子供に認められる症状です(リトルリーグ肘とも呼ばれています)。

痛みは肘内側、または肘外側に現れます。

投球動作のコッキング期から加速期にかけて、肘関節には外反の負荷がかかります。

その時、肘内側には伸張負荷、肘外側には圧迫負荷がかかっています。

 

肘内側型野球肘

内側上顆の骨端症や骨端線の離解が起こっています。骨端の剥離骨折が起こる場合もあります。

肘外側野球肘

これは、離断性骨軟骨炎とも呼ばれている症状です。橈骨頭の関節軟骨の剥離により、その断片が関節内に浮遊している状態です。この関節軟骨の断片を関節ネズミと呼びます。

治療法

筋膜リリース

触診により圧痛が認められた前腕屈筋群の腱に対してリリースを行います。

特に尺側手根屈筋腱と円回内筋腱が好発部位です。

アジャスメント

腕尺関節と腕橈関節に可動域制限(フィクセーション)が認められる場合、アジャスメントを行います。

ホームエクササイズ

内側上顆炎では前腕屈筋群(尺側手根屈筋など)と円回内筋の過緊張・拘縮が起こっています。

前腕屈筋群のストレッチは、以下のような手順で行います。

  1. 肘を完全伸展位に保つ
  2. 手首を背屈位にする
  3. 上記のポジション(最大ストレッチポジション)で30秒程度維持する

関連動画

 

 

 

 

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