タンパク質の適量

プロテイン(タンパク質)の一日に必要な量の目安

「プロテインは一日にどれくらい摂れば良いのか」と迷っているトレーニーは多いと思います。結論から書くと、「個人差があるので個々によって異なる」です。

年齢や性別、体格、運動習慣、食習慣などによって、タンパク質(プロテイン)の適量は異なるからです。

本記事では、一日に必要なプロテインの適切な量(目安)について解説していきます。以下の4つのケースについて解説していきます。

  • 男性で運動をしているケース
  • 女性で運動をしているケース
  • 男性で運動をしていないケース
  • 女性で運動をしていないケース

「運動をしているケース」は、1回30分以上の運動を週3日以上行っている場合を指します。それ以外は、「運動をしていないケース」に該当します。

男性で運動をしているケース

男性で運動をしている場合、体重1k当たり最低でも1.5g/日のタンパク質の摂取を目指しましょう。

もし、ハードに運動をしている場合(1日1時間以上の運動を週6日など)は、2.0g/日から2.5g/日摂ってもOKです。ちなみに、私は体重1kg当たり4.0g/日のタンパク質を摂っていたことがあります。

ただ、これらのタンパク質を全てプロテインで摂るというわけではありません。メインは食品から摂り、足りない分をプロテインで補うというのが基本的なスタンスです。

例えば、体重80kgの人が、体重1kg当たり2.0g/日のタンパク質を摂る場合、一日のタンパク質の総量は160gになります。

朝起きてすぐと運動(トレーニング)後のタイミングでプロテインを摂ると仮定します(1日2回のプロテイン摂取)。

1回のプロテイン摂取量を40gとして、2回で80g。その内のタンパク質の割合は90%程度(メーカーによって異なります)なので、プロテインだけで40g×2×0.9=72gになります。計算が面倒なので、70gとしましょう。

すると、160g-70g=90gを食事から摂る必要が出てきます。

鶏肉、豚肉、牛肉のタンパク質の割合は概ね20%なので、これらのどれかを300g食べると60gのタンパク質を摂ることができます。

また、卵(全卵)は1個当たり6gから8g(卵のサイズによって若干異なる)なので、3個で約20gから25gのタンパク質になります。

さらに、牛乳コップ2杯(400㏄)でおよそ10gタンパク質。ここまでのタンパク質の量をまとめてみましょう。

  • プロテイン2杯=70g
  • 肉300g=60g
  • 全卵3個=20g~25g
  • 牛乳2杯=10g

合計で160gになります。体重80kgの人が、一日160gのタンパク質を確保するためには、これくらい食べなければなりません。

ただし、食が細い人、食欲が湧かない場合などは、プロテインの摂取量を増やすと良いでしょう。また、上記以外にも野菜や果物など、適宜バランスよく栄養を摂るよう心掛けるというのは大前提です。

しかし、先にも書きましたが、プロテインはあくまでも食事の補助として不足分を補うために利用するというスタンスは崩さないようにしてください。

女性で運動をしているケース

女性のトレーニーの場合は、タンパク質の一日の必要量が男性よりも若干少なくなります。

女性で運動をしている場合、体重1k当たり最低でも1.0g/日のタンパク質の摂取を目指しましょう。

もし、ハードに運動をしている場合(1日1時間以上の運動を週6日など)は、1.5g/日から2.0g/日摂ってもOKです。

例えば、体重50kgの女性が体重1kg当たり1.0g/日のタンパク質を摂る場合のモデルプランを作ってみましょう。まず、この女性の場合、1日に必要なタンパク質の量は50gになります。

タンパク質源を上記と同じように、プロテイン、肉、卵(全卵)、牛乳とします。

プロテインは運動直後の1日1回摂ることとします。1回の摂取量を20g(1スクープ)とすると、タンパク質の割合は90%なので総摂取量は18gになります。

また、肉を100g食べた場合タンパク質は20g、全卵2つで15g、牛乳コップ1杯で6gです。以上をまとめてみます。

  • プロテイン=18g
  • 肉100g=20g
  • 全卵2個=15g
  • 牛乳200㏄=6g

以上でタンパク質の総摂取量は59gとなります(+5g)。やはり、男性に比べると一日のタンパク質必要量を確保するのは容易ですね。

ちなみに、肉は魚でもOKです(魚もタンパク質の割合は20%程度)、また乳糖不耐症やカゼインアレルギーなどで牛乳を飲むと下痢をしてしまう場合、豆乳に置き換えても構いません。

もし、それでも牛乳が飲みたいという人の場合、消化酵素を活用すると良いでしょう。以下に消化酵素の関連記事があります。

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男性で運動していないケース

男性で運動していない場合、1日当たりのタンパク質摂取量は、体重1kg当たり1.0gから1.2g程度で十分です。

従って、このケースでは、「女性で運動をしているケース」とほぼ同じ割合のタンパク質を摂ることになります。

体重60kgの男性の場合、1日60gから72gのタンパク質を確保することになります。

女性で運動をしていないケース

女性で運動をしていない場合は、1日当たりのタンパク質摂取量は、体重1kg当たり0.8gから1.0g程度摂るようにしましょう。

従って、体重が50kgの女性の場合、一日40gから50gほどのタンパク質を摂るようにします。「女性で運動をしているケース」から、牛乳を除外すれば、ちょうど必要量になります。

まとめ

最初に書いたように、タンパク質の必要量はさまざまな条件によって変動します。ここでは触れませんでしたが、妊娠中の女性や成長期の子供の場合、タンパク質の必要量はさらに増します。

特に、成長期の子供で部活などでハードに運動をしている中高生の場合、一日当たり体重1kgに対して2.5gから3.0g程度のタンパク質は確保したいところです。

少し、本記事のトピックから離れますが、抜け毛が多い人や脱毛予防のためには、十分なタンパク質の確保は必須項目です。また、髪の毛の発育にはタンパク質以外に亜鉛などの微量元素も大切です。

また、腎臓疾患がある場合、タンパク質の大量摂取は腎機能の低下を招く恐れがあるため、担当医師に相談してから摂るようにしてください。

プロテイン摂取のタイミングや、プロテインの種類による飲み分け方などについては、以下の関連記事を参照ください。

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【ボディビル歴33年】大学入学と同時にボディビルを開始。その後、現在までウエイトトレーニングを続けている。国内・海外でのボディビル大会での優勝・入賞歴多数。
【瞑想歴19年】33歳の時、インドに3か月滞在。1日12時間のヴィパッサナー瞑想を行う。それ以来、朝晩の瞑想は欠かしていない。
【カイロプラクティック歴22年】大学卒業と同時に渡米。カリフォルニア州のカイロプラクティック免許を取得しLAにて10年臨床経験を積む。オリンピック帯同経験あり。2007年に帰国。プロフィール詳細はこちら

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