ピープロテインの効果・効能・メリット・副作用

ピープロテインとはエンドウ豆から作られたプロテインパウンダーのことです。植物性タンパク質なのでビーガン(菜食主義者)にとっても安心して飲めるプロテインです。

また、アレルギーでプロテインを飲めないという人は、ピープロテインを試してみると良いでしょう(ホエイプロテインの乳糖不耐症やソイプロテインの大豆アレルギーなど)。

ピープロテインと他のプロテインの大きな違いは、ピープロテイン(エンドウ豆)には鉄分が豊富に含まれていることです。鉄分が不足しがちな女性には最適なプロテインパウダーかもしれません。

ピープロテインの栄養価は、プロテインのメーカーによって若干異なります。ここでは、私が摂ったことのあるJarrow Formulas社のピープロテインの栄養成分をご紹介します(1スクープ、約14g中)。
カロリー 60
脂質 1 g
飽和脂肪酸 0 g
トランス脂肪酸 0 g
コレステロール 0 mg
ナトリウム 200 mg
炭水化物 <1 g
繊維質 0 g
糖質 0 g
タンパク質 11 g
ビタミンD 0 mcg
カルシウム 20 mg
2㎎
カリウム 0 mg

ピープロテインのタンパク質は高いクォリティ

ピープロテインには9つの必須アミノ酸が全て含まれています。しかし、難点を一つ上げるとするならば、メチオニンの含有量がやや少ないことです (Tömösközi S, 2001, http://bit.ly/32ilJYG)

しかし、卵や魚、牛肉、豚肉などのメチオニンが豊富に含まれている食品と合わせることで、この問題は解決します (Douglas S. Kalman, 2014, http://bit.ly/2Lhxjwk)

メチオニン
必須アミノ酸の一つ。血中コレステロール値を下げる効果があります。また、活性酸素を除去(抗酸化作用)する作用も持っています。活性酸素については、こちらの記事で詳しく解説していますので、是非ご一読ください。
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活性酸素

ピープロテインには分岐鎖アミノ酸(BCAA)も豊富に含まれています。特にアルギニンの含有量が多く、血液循環や心臓病予防にとって大切な栄養素です。

また、ロイシン、イソロイシン、バリンは、筋トレによってダメージを受けた筋線維の修復にとってとても大切なアミノ酸です (Babault N, 2015, http://bit.ly/2ZGOPPD;  Gornik HL, 2004, http://bit.ly/2Zu3X7O). )。

以下はピープロテイン14gに含まれているアミノ酸の成分表です。

必須アミノ酸
イソロイシン (BCAA) 0.54 g
ロイシン (BCAA) 0.95 g
バリン (BCAA) 0.58 g
フェニルアラニン 0.53 g
メチオニン 0.09 g
リジン 0.83 g
トリプトファン 0.08 g
スレオニン 0.41 g
アルギニン 0.91 g
ヒスチジン 0.27 g
Total >_ 5.1 g

Jarrow Formulas, オーガニックピープロテイン(商品リンク)
ジャローフォーミュラ オーガニッピープロテインは、滑らかな食感とマイルドな風味があります。必須アミノ酸を全て含む完全なアミノ酸組成を含んでいます。

 

ピープロテインには鉄分が豊富に含まれている

ピープロテインには2スクープ(28g)中に約4㎎の鉄分が含まれています。これは、閉経前の女性が1日に必要とする鉄分の30%から40%に相当します。

しかし、植物性食品に含まれている鉄分は、動物性食品に含まれている鉄分よりも、吸収率が悪いことがわかっています (Hurrell R, 2010, http://bit.ly/346Cho2)。ただ、ビタミンCと一緒に摂ることで、鉄分の吸収率は67%上がります (Hallberg L, 2000, http://bit.ly/30QDHB6)。

多くの人(特に女性)は鉄分が不足しているので、ピープロテインを摂ることでその不足分を補うことができます。

ただし、鉄分は悪玉菌の栄養になるので、大量摂取には注意が必要です。特にピロリ菌や腸カンジタ菌などの悪玉菌が多いと、鉄分によってこれらの菌が増殖し腸内環境が悪化してしまします。

ピープロテインはアレルゲンフリー

ピープロテインは完全ベジタリアン食品です。またグルテン、乳糖、カゼインなど食物アレルギーの元になるようなアレルゲンが入ってません。

従って、食物アレルギーのためにプロテインパウダーを摂ることができない人にも安心です。

ピープロテインの効果・効能・メリット

ピープロテインでバルクアップ(筋量アップ)

筋トレと一緒にピープロテインを摂ると筋量が増えたとする研究報告があります。

それによれば、男性被験者らが筋トレと並行して毎日50gのピープロテインを12週間摂り続けたところ、ホエイプロテインのグループと同程度の筋量増加があったとしています (Babault N, 2015, http://bit.ly/2ZGOPPD)。

しかし、筋トレなしにプロテインだけ摂ってもバルクアップ(筋量アップ)は不可能です (Pasiakos SM, 2015, http://bit.ly/2LhhTrP)。

ピープロテインを飲むと満腹感が持続

タンパク質は、炭水化物や脂質よりも食べた後の満腹感が持続します (Poppitt SD, 1998, http://bit.ly/32k6G0i)。従って、タンパク質を多く含む食事は、ダイエット中の飢餓感を緩和してくれます (Weigle DS, 2005, http://bit.ly/2Lcol4u)。

食事前にピープロテインを20g摂ると、その後の食事においておよそ12%のカロリーダウンがあったとする研究報告があります (Smith CE, 2012, http://bit.ly/2LhCKv8)。

ピープロテインの満腹感持続効果はダイエットの味方

ピープロテインは心臓病を予防

ピープロテインは、血中コレステロール値や高血圧を下げる効果があります(これらはいずれも心臓病のリスク要因)。

ピープロテインの加水分解物(ピープロテインの分子を小さくしたもの)は、血圧を顕著に低下させる作用を持つことがわかっています (Girgih AT, 2016, http://bit.ly/2HBCWnY)。

また、動物を使った実験ですが、ピープロテインは血中コレステロール値を下げる効果があることが報告されています (Rigamonti E, 2010, http://bit.ly/2MNI2S4).

ピープロテインの副作用

ピープロテインは比較的線維質が少ないため、お腹の膨満感やガスの問題はあまり起こりません。

しかし、ピープロテインにはナトリウムが若干多く含まれています(1回の摂取当たり110~390㎎)。従って、ナトリウム(塩分)を控えている人はピープロテインの摂取量に注意すると良いでしょう。

ピープロテインにはナトリウムがやや多く含まれている
  • ピープロテインはエンドウ豆から抽出されたプロテインです
  • ピープロテインには鉄分が多く含まれているため、閉経前の女性には最適のプロテインです
  • ピープロテインは心臓病の予防、バルクアップ(筋量アップ)、満腹感の持続などの効果があります
  • ピープロテインにはアレルゲンがほとんど入っていないため、食物アレルギーの人も安心して飲めます

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参考文献

  1. Tömösközi SLásztity RHaraszi RBaticz O: Isolation and study of the functional properties of pea proteins. 2001 Oct;45(6):399-401 (http://bit.ly/32ilJYG).
  2. Douglas S. Kalman: Amino Acid Composition of an Organic Brown Rice Protein Concentrate and Isolate Compared to Soy and Whey Concentrates and Isolates.  . 2014 Sep; 3(3): 394–402. Published online 2014 Jun 30. doi: 10.3390/foods3030394 (http://bit.ly/2Lhxjwk). 
  3. Babault NPaïzis CDeley G, etc: Pea proteins oral supplementation promotes muscle thickness gains during resistance training: a double-blind, randomized, Placebo-controlled clinical trial vs. Whey protein.
    2015 Jan 21;12(1):3. (http://bit.ly/2ZGOPPD).
  4.  Gornik HLCreager MA: Arginine and endothelial and vascular health. 2004 Oct;134 (http://bit.ly/2Zu3X7O). 
  5. Hurrell REgli: Iron bioavailability and dietary reference values. 2010 May;91(5):1461S-1467S (http://bit.ly/346Cho2).
  6. Hallberg LHulthén L: Prediction of dietary iron absorption: an algorithm for calculating absorption and bioavailability of dietary iron. 2000 May;71(5):1147-60 (http://bit.ly/30QDHB6).
  7. Babault NPaïzis CDeley G: .Pea proteins oral supplementation promotes muscle thickness gains during resistance training: a double-blind, randomized, Placebo-controlled clinical trial vs. Whey protein. 2015 Jan 21;12(1):3 (http://bit.ly/2ZGOPPD).
  8. Pasiakos SMMcLellan TMLieberman HR: The effects of protein supplements on muscle mass, strength, and aerobic and anaerobic power in healthy adults: a systematic review. 2015 Jan;45(1):111-31. doi: 10.1007/s40279-014-0242-2 (http://bit.ly/2LhhTrP).
  9. Poppitt SDMcCormack DBuffenstein R: Short-term effects of macronutrient preloads on appetite and energy intake in lean women. 1998 Jun 1;64(3):279-85 (http://bit.ly/32k6G0i).
  10. Weigle DSBreen PAMatthys CC, etc: A high-protein diet induces sustained reductions in appetite, ad libitum caloric intake, and body weight despite compensatory changes in diurnal plasma leptin and ghrelin concentrations. 2005 Jul;82(1):41-8 (http://bit.ly/2Lcol4u).
  11. Smith CEMollard RCLuhovyy BLThe effect of yellow pea protein and fibre on short-term food intake, subjective appetite and glycaemic response in healthy young men. Anderson GH. 2012 Aug;108 Suppl 1:S74-80 (http://bit.ly/2LhCKv8).
  12. Girgih ATNwachukwu IDOnuh JO, etc: Antihypertensive Properties of a Pea Protein Hydrolysate during Short- and Long-Term Oral Administration to Spontaneously Hypertensive Rats. 2016 May;81(5):H1281-7 (http://bit.ly/2HBCWnY).
  13. Rigamonti EParolini CMarchesi M, etc: Hypolipidemic effect of dietary pea proteins: Impact on genes regulating hepatic lipid metabolism. 2010 May;54 Suppl 1:S24-30 (http://bit.ly/2MNI2S4). 

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