プロバイオティクスとは
プロバイオティクスはバクテリアとイースト(酵母)のことを指します。
酵母はともかく、バクテリアと聞くと食べたらやばいのでは?と思うかもしれませんが、心配はいりません。
プロバイオティクスはサプリメントとしても摂ることができますし、発酵食品からも摂ることができます。
納豆やヨーグルト、漬物などの発酵食品に豊富に含まれています (Morelli L, 2014, http://bit.ly/35aJRi9)。
プロバイオティクスには、身体にとって様々な良い効果をもたらしてくれます。
詳細はこの後「プロバイオティクスの効果」のセクションで解説します。
逆にプロバイオティクスには副作用もありますが、とても軽微なものであり、ほとんどの人にとっては無視しても問題ありません。
プロバイオティクスの副作用についても、別のセクションで詳細を解説してあります。
プロバイオティクスの効果
プロバイオティクには、私たちの身体の健康にとってとても大切な働きをもっています。
ここでは、その代表的なベネフィットについて解説していきます。
プロバイオティクの効果には以下のようなものがあります。
- 腸内細菌のバランスを整える
- 様々な疾患の改善を促す
- ダイエット効果がある
上記以外にもプロバイオティクスの効果はあります。
- 炎症の低減
- うつ症状の改善
- 血中コレステロール値の低減
- 血圧の低減
- 免疫システムの強化
- 肌の状態を改善(にきびや湿疹など)
それでは、解説していきます。
プロバイオティクスは腸内細菌のバランスを整える
我々の身体の中には、およそ3万種類の腸内細菌が生息していると言われています。
腸内細菌の代謝活動は、臓器ととても似ているため、「忘れられた臓器」とも呼ばれています (Ann MO, 2006, http://bit.ly/2Ouzsrr)。
以下が腸内細菌の主な役割です。
- ビタミン類の産生(ビタミンK、ビタミンBなど)
- 線維を脂肪酸に転換し腸管を修復
- 免疫システムの強化
従って、腸内細菌のバランスが崩れると、様々な疾患を引き起こします (Sekirov I, 2010, http://bit.ly/30WSHg2)。
2型糖尿病や心臓病、アルツハイマー病、うつ病、膠原病(クローン病、関節リュウマチなど)などが、代表的な疾患です (Musso G, 2011, http://bit.ly/2oZYm7S)。
プロバイオティクスは様々な疾患の改善を促す
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病 (Ghouri YA, 2014, http://bit.ly/30ZdmQu)
- 過敏性腸症候群 (Hoveyda N, 2009, http://bit.ly/2OECCJB)
- 胃潰瘍 (Ruggiero P. 2014, http://bit.ly/2oeI1MF)
ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの原因と言われている菌ですね。
もし現在、胃腸の調子がすぐれないという方は、プロバイオティクスのサプリメントを試してみる価値は大いにあります。
プロバイオティクスはダイエットに効果的
太っている人とそうでない人の腸内細菌のバランスは異なることがわかっています (Ley RE, 2006, http://bit.ly/31YLeyb)。
それは、やせている動物の糞を太っている動物に移植したところ、太っている動物の体重が減少したという研究です (Million M, 2013, http://bit.ly/2LVFHCV).。
当然ながら、腸内細菌のバランスを整えることで、ダイエット(減量)にも大いに効果があるということになります。
その研究によると、210人の肥満被検者にプロバイオティクス(Lactobacillus gasseri )を毎日摂ってもらったところ、12週間後に体重が平均8.5%減少しています。
プロバイオティクスの摂取を止めたところ、4週間後には元の体重に戻ったそうです。
上記以外の効果
上記で解説したもの以外にもプロバイオティクスが効果を発揮する症状は、たくさんあります。
- 炎症の低減
- うつ症状の改善
- 血中コレステロール値の低減
- 血圧の低減
- 免疫システムの強化
- 肌の状態を改善(にきびや湿疹など)
プロバイオティクスの副作用
プロバイオティクスは、ほとんどの人にとっては安全です。
しかし、プロバイオティクスのサプリを摂り始めのころは、腹部の膨満感(ガス)や下痢などの症状が起こるかもしれません。
しかし、それもほんの数日で慣れて、胃腸の調子が改善していくことと思います。
逆にプロバイオティクスを摂り始めて1週間が経過しても胃腸の調子がすぐれない場合、そのサプリメントが合わないか、もしくはプロバイオティクスに何らかの拒絶反応を示している可能性があります。
前者(摂っているプロバイオティクスのサプリが合っていない)のことが多いので、その場合、他のプロバイオティクスのサプリに変えてみましょう。
プロバイオティクの副作用には以下のようなものがあります。
- 胃腸障害
- 頭痛
- アレルギー反応に似た症状
- 感染症リスクの向上
それぞれについて解説していきましょう。
プロバイオティクスは胃腸障害を引き起こす可能性
プロバイオティクスの副作用でもっとも多いのが、腹部の膨満感(ガス)です (Williams NT, 2010, http://bit.ly/312FPoQ)。
また、酵母ベースのプロバイオティクスの場合、便秘とのどの渇きを訴えるケースがあります (Karpa KD, 2007, http://bit.ly/2MlWezf).。
プロバイオティクスが頭痛を引き起こす可能性
人によっては、アミンが頭痛を引き起こすことがあります。
ヒスタミンは血管を拡張させる作用があり、それにより頭痛を引き起こすことがわかっています。
プロバイオティクスがアレルギー反応に似た症状を引き起こす可能性
分泌されたヒスタミンは、腸管において吸収され血中に流れ込みます。
それにより、アレルギー反応に似た症状(かゆみ、鼻水、目の充血など)が現れることがあります。
プロバイオティクスは感染症リスクを上昇させる可能性
プロバイオティクスに含まれているバクテリアや酵母が血中に流入することで感染症を発症します。
特に身体が弱っている人(病み上がりなど)は、プロバイオティクスを摂ると感染症を引き起こすことがあります。
ただし、非常に稀です。
プロバイオティクスを含む食品(食べ物)
プロバイオティクスを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
- ヨーグルト
- 漬物
- 味噌
- 昆布茶
- 納豆
それぞれ解説していきます。
ヨーグルト
ヨーグルトはプロバイオティクスの宝庫です。
ヨーグルトに含まれている代表的なプロバイオティクスは、乳酸菌とビフィズス菌です。
また、ヨーグルトには以下のような症状の改善にも効果があることが確認されています。
- 高血圧
- 下痢(特に抗生剤投与中)
- 潰瘍性大腸炎
漬物
漬物は発酵食品です。
乳酸菌が豊富に含まれています。
ただし、一夜漬けや浅漬けは発酵食品ではありません。
プロバイオティクスの効果を期待して漬物を摂るなら、ぬか漬けやたくあんなどを選びましょう。
味噌
味噌は大豆に塩と麹(こうじ)を混ぜ、発酵させて作られます。
味噌にはプロバイオティクス以外にも健康にとって有益な栄養素(ビタミンK、マグネシウム、銅など)が含まれています。
また、味噌には脳梗塞や乳がんのリスクを低下させる効果があるといわれています。
昆布茶
昆布茶は、緑茶にバクテリアと酵母を混ぜて発酵させたものです。
もちろん、プロバイオティクスが含まれています。
納豆
納豆にはプロバイオティクの他に、ビタミンKが豊富に含まれています。
ビタミンKは血流を良くする働きがあり、心臓や血管の健康にとってとても大切な栄養素です。
iHerbのおすすめプロバイオティクス
プロバイオティクのサプリメントには、たくさんの種類があるので選ぶのに困ると思います。
ほとんどのプロバイオティクスサプリメントは、複数のバクテリアや酵母が混合されていますが、それぞれ働きが異なります。
よって、自分の目的にあったプロバイオティクスを選ぶ必要があります(これが難しいのですが)。
以下にアイハーブで買えるおすすめのプロバイオティクスをご紹介します。
Now Foods, プロバイオティクス-10, 500億, 50カプセル
このサプリメントには、以下の10種類のプロバイオティクスが配合されています。
- ラクトバチルスアシドフィルス
病原菌などの外敵から身体を守る働きをしています - ビフィドバクテリウムラクチス(ビフィズス菌BB-12、Bifidobacterium lactis)
便秘の改善をします - ラクトバチルス プランタルム菌(Lactobacillus plantarum、Lp-115)
プランラルム菌の発酵により食物の腐敗を防いでいます - カゼイ菌(Lactobacillus casei、Lc-11)
整腸作用や免疫調節作用があります - ラクトバチルス・ラムノサス菌(Lactobacillus rhamnosus、Lr-32)
整腸作用や免疫調節作用があります - ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei、Lpc-37)
免疫機能の改善(風邪の症状の改善)、気分の改善に効果があります - ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bb-03)
便秘の改善、整腸作用、潰瘍性大腸炎の改善効果があります - ストレプトコッカス・サーモフィルス(St-21)
乳糖を原料に乳酸を産生します - 乳酸菌LS-1(ラクトバチルス・サリバリウス、Ls-33)
口腔内の歯周病菌を抑制する働きがあります - ビフィドバクテリウム・ロンガム(B-05)
感染症の予防、整腸作用、免疫システムの強化、血中コレステロール値を低減させる働きがあります
Now Foods, プロバイオティクス-10, 500億, 50カプセル(商品リンク)
NOWプロバイオティク-10は、ヒトの腸管に自然に住みつくことが知られている酸耐性プロバイオティックス細菌が含まれています。プロバイオティクスは消化器官の健康に欠かせない細菌です。腸内細菌のバランスを保ち、腸内の細菌の働きを健全化します。またデトックス効果もあります。
- ビフィドバクテリウムラクチス(ビフィズス菌BB-12、Bifidobacterium lactis)
便秘の改善をします - ラクトバチルスアシドフィルス
病原菌などの外敵から身体を守る働きをしています - 乳酸菌LS-1(ラクトバチルス・サリバリウス、Ls-33)
口腔内の歯周病菌を抑制する働きがあります - ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei、Lpc-37)
免疫機能の改善(風邪の症状の改善)、気分の改善に効果があります
Doctor’s Best, プロバイオティクス, 200億CFU, 30カプセル(商品リンク)
Doctor’s Bestのプロバイオティクスサプリメントには、消化作用や体全体にメリットをもたらす4株のビフィドバクテリウムと乳酸菌が含まれています。本製品に含まれるプロバイオティクス菌は、腸内に生息している善玉菌の増加を促します。また、便秘や消化不良の改善にも役立ちます。このサプリメントに含まれるプロバイオティクスは、臨床的にとても強力とされる200億CFUとなっています。
消化管には、様々な菌が生息します。これらの菌の主な役割は以下の通りです。
- 正常な腸内細菌の増加を助ける
- 消化を促進して腸の働きを改善
- 腸全体の健康を促進
- 食べ物に含まれる栄養素を効率よく消化
American Health, 酵素プロバイオティクス複合体, 90カプセル
このサプリメントには、プロバイオティクスだけでなく消化酵素も配合されています。
プロバイオティクスに含まれている菌は以下の通りです。
- ラクトバチルス アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)
病原菌などの外敵から身体を守る働きをしています - ビフィズス菌(B.bifidum)
善玉菌として腸内環境を改善します - ブルガリア菌(L. bulgaricus)
腸内で乳酸を作り出し腸内環境を整えます - ラブレ菌(L.brevis)
免疫システムの強化をします - ビフィズス菌BB-12(Bifidobacterium lactis)
便秘の改善をします
American Health, 酵素プロバイオティクス複合体(商品リンク)
このサプリメントには、1カプセル当たり20億のバイオアクティブプロバイオティックが含まれています。プロバイオティクスは、腸内細菌のバランスをサポートするだけでなく、身体の自然な消化プロセスを助け、免疫機能の改善もします。腸内細菌のバランスを整えることで、栄養素の吸収を促進し、消化器の機能を改善することができます。
まとめ
プロバイオティクスはバクテリアと酵母(イースト)のことを指し、腸内環境を改善したり、特定の疾患の予防や改善をします。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品から摂ることもできますが、サプリメントとしても摂ることができます。
ごく一部の人はプロバイオティクスに対しアレルギー反応のような症状を示す場合がありますので、注意が必要です。
特に身体の抵抗力が弱っている人がプロバイオティクスを摂ると下痢や腹部の膨満感、喉の渇きなどの副作用が現れることがあります。
しかし、このようなネガティブな反応は稀です。
ほとんどの人はプロバイオティクスを摂ることで、ポジティブな結果を得ることができるでしょう。
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参考文献
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