緑内障は失明の原因の中でもっとも多い疾患です。
視力をコントロールしているのが視神経です。緑内障では眼圧の上昇により視神経がダメージを受けてしまい、視力の低下や失明が起こります。
緑内障は中年期以降の女性に多く見られ、男性の約3倍の羅漢率です。
それでは、緑内障について解説していきます。後半では緑内障の改善・予防に効果的なサプリメントについても解説してあります。
緑内障とは?
緑内障では何等かの要因で眼圧の上昇が起こっています。
眼圧が上昇すると、視神経が圧迫され血流も悪くなるため、神経細胞が死んでしまいます(変性)。一度死滅した神経が回復することはありません。
そうなると、視野が欠けたり、視力の低下が起こります。そして、最終的には失明が待っています。
事実、日本人の失明の原因でもっとも多いのが緑内障です。
緑内障の改善には眼圧を下げる必要
先述したように、緑内障では視神経が何らかの原因で障害され視力の低下が起こる病気です。その原因の一つが、眼圧の上昇です。放置したままだと失明に至ります。
- 緑内障は眼圧を下げることで、症状の進行を抑えることが可能
- 眼球への血流障害が緑内障の症状進行に影響しており、血流障害の改善が症状の進行を抑えることになる
- 緑内障の病状は数ヶ月〜数年をかけてゆっくりと進行する
- フラボノイドは眼の微小な血流改善をもたらし眼圧下降に効果があると報告がある
- ベリー系(ビルベリーやキルベリー)は眼の奥や目の周りの血流を改善(目のクマや眼の疲れなどの改善)
ただし、緑内障は完治しない病気です。進行を抑える治療法しかありません。
緑内障の症状
初期
目の中心からはずれたところに暗点(見えない点)ができます。
視野の一部に異常がありますが、視野の端の方だったり、狭い範囲だったりするので、異常に気付きにくいです。
中期
暗点が拡大し見えない範囲が広がり始めます。しかし、この段階でも片側の眼によって視野が補足されるので、異常に気付かないことが多いです。
人によっては、自覚症状がない場合もあります。丁度老眼が疑われる年齢にさしかかっているため、発見が遅れがちです。
後期(末期)
視野がさらに狭くなり視力も低下して、日常生活にも支障を来たすようになります。
視神経の50%が傷ついてしまうと、中心部分も見えなくなってきます。
内側の視野が狭くなり、物の一部が欠けて見えたりします。さらに放置すると、最終的には失明に至ります。
緑内障の改善・予防に効果的なサプリメント
緑内障の改善・予防に効果的なサプリメントには以下のものがあります。
- 松樹皮エキス(ピクノジェノール)
- ピルベリーエキス(ミルトセレクト)
- イチョウ葉エキス
- ルテイン
- アスタキサンチン
- カシスの実
それでは、これらのサプリメントについて解説していきます。
松樹皮エキス(ピクノジェノール)
このサプリメントは緑内障の予防と治療効果を高めるのに有効である可能性が示唆されています。
Now Foods, 松樹皮エキス、240mg、90カプセル(商品リンク)
NOW松樹皮エキスは、フリーラジカルを強力に消去するポリフェノールフラボノイド成分、マンシュウクロマツ(Pinus massoniana)の内樹皮から抽出されたエキスです。リサーチによれば、マンシュウクロマツ樹皮のエキスは健康的な細胞の増殖と再生をサポートすることがわかっています。
ピルベリーエキス(ミルトセレクト)
ビルベリーエキスには視神経の改善について研究が活発にされ、眼精疲労やドライアイなどの改善に対する臨床試験も多くされています。
ピルベリーエキスには、視神経の血流改善作用と細胞の死滅(アポトーシス)を抑える効果が報告されています。
150種類ほどあるブルーベリー種の中でも、ピルベリーエキスにはポリフェノールの 一種であるアントシアニンを豊富に含んでいます。
これは植物が紫外線から実を守るための成分です。
ビルベリーには、アントシアニンが一般のブルーベリーより約4倍も多く含まれています。
他にもタンニン、ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、フラボノール配糖体などを含有しています。
Source Naturals, ビルベリーエキス, 50 mg, 120 錠(商品リンク)
ビルベリーエキスは、ブルーベリーとも呼ばれ、アントシアノサイドと呼ばれる重要なバイオフラボノイドをもたらす効能があります。
イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキスには抗酸化作用のあるフラボノイドや、血小板の凝固を抑えるテルペンラクトンなどの有用成分が含まれています。
緑内障の原因は、眼底部分の血流が悪化して、網膜の視神経の細胞がアポトーシス(細胞の自殺)を起こすことで進行すると考えられています。
フラボノイドや、テルペンラクトンは緑内障の予防と治療効果(血流改善作用とアポトーシスを抑える効果)を高めるのに有効である可能性が示唆されています。
California Gold Nutrition, イチョウ葉エキス、120 mg、180粒(商品リンク)
イチョウは地球上で最古の樹種で、「生きた化石」と考えられています。 イチョウは、 伝統医学でも現代の研究においても、記憶力と血流をサポートするのに役立つ能力が認められてきました。*.
California Gold Nutrition EuroHerbs™ イチョウ葉エキスには、イチョウ葉エキスが含まれています。
ルテイン
緑黄色野菜に含まれるカロテノイド(色素成分)の一種です。
眼の角膜、水晶体、黄斑部分に多く存在し、紫外線からのダメージやブルーライトハザード(青色光)をカットして活性酸素から眼を守っています。
ルテインは加齢に伴い減少するので、食物またはサプリメントで補給する必要があります。
人間の脳や目には、有害物質を通さないようにガードする血液脳関門と血液網膜関門があります。ルテインとアスタキサンチンは、これらの関門を通ることができます。
Doctor’s Best, FloraGloルテイン、20 mg、60ソフトジェル(商品リンク)
ルテインは、生物学的に利用可能的なカルテノイド栄養素のルテインとマリーゴールドの花由来のゼアキサンチンが配合されています。フローラ・グロは、 天然のルテインの品質と濃度が確実に保たれるように製造されています。ルテインとゼアキサンチンは 、血液に含まれる主要なカルテノイドであり、目の網膜には密に存在しています。紫外線(UV)やコンピューターやスマホから放出されるブルーライトに眼が露出すると、網膜細胞がダメージを受ける可能性があります。ルテインとゼアキサンチンは、 フリーラジカルを中和することにより視覚機能を改善させます。
アスタキサンチン
アスタキサンチンとは、サケ、えび、かにや海草などに含まれる赤い色の色素成分で天然由来の有用成分です。
アスタキサンチンの抗酸化力は非常に強力で、βカロチンの約100倍、コエンザイムQ10の約800倍、ビタミンEの約1,000倍もの抗酸化力があり、網膜に有害な過酸化脂質の増加を防いでくれます。
紫外線ダメージや青色光(ブルーライトハザード)から目を保護する働きもあります。
またルテインと同じく血液脳関門と血液網膜関門を通過できる性質を持つので、眼の血管にたどり着き有用な物質として働くことができます。
Now Foods, アスタキサンチン、4 mg、植物性カプセル 60粒(商品リンク)
アスタキサンチンは自然に発生するカロチノイドで、そのユニークな構造により幅広い抗酸化物質の恩恵を提供します。アスタキサンチンは血液脳関門と血液網膜関門を通過できるため、目、脳と神経システムに直接強力な抗酸化物質保護を提供することができます。またアスタキサンチンが健康的な炎症反応をサポートすることも証明されています。
カシスの実
カシスは、日本名「黒房すぐり」、「黒すぐり」ともいって、濃紫色をしており、カシス特有の吸収性に優れた4種類のカシスアントシアニンを含んでいます。高い抗酸化力をもつ「デルフィニジン」も豊富に含んでいます。
カシスはポリフェノール成分であるアントシアニンをブルーベリーの約3倍も含むことから「ベリーの王様」と呼ばれています。眼精疲労を緩和したり近視化を抑制する可能性など、目に関する多くの効用が確認されていることから注目を集めています。
毛様体筋の緊張を和らげ、ピントフリーズ現象をサポートするためにカシスが有効であると言われています。
カシスもビルベリーやルテインと同じく有害物質を通さないようにする血液網膜関門を通過できる成分です。
カシスアントシアニンを摂取することで、眼底や網膜、視神経の血流が促進されるとの研究が報告されています。従って、カシスは緑内障の予防・改善に効果的である可能性があります。
Jarrow Formulas, ブラックカラント, 200 mg, 60 ベジカプセル(商品リンク)
ブラックカラント・フリーズドライエキスは、目の疲労や不快感を軽減、抗酸化保護、血管拡張を促進する強力な抗酸化成分(ポリフェノール)を含んでいます。ニュージーランド産ブラックカラント(カシス、Ribes nigrum L.)は、ヨーロッパ産ブラックカラントよりポリフェノール(デルフィニジン-3-ルチノシドとシアニジン-3-ルチノシドなど)を4倍多く含んでいます。ニュージーランド産ブラックカラントには農薬が含まれておらず、日光が強く汚染されていない地域で自生するので、フェノール系の抗酸化成分が自然に多く含まれています。
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