腎臓に良い食べ物

腎臓に良い食べ物【ナトリウム・カリウム・リンの含有量がポイント】

  • 2019年10月25日
  • 2019年12月7日
  • 栄養
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腎臓病は、世界中のおよそ10%の人が患っていると言われています。

腎臓は老廃物(代謝物)のろ過、血圧をコントロールしているホルモンの分泌、体内の水分調整、尿の生成など生命活動にとって重要な働きをしています。

腎臓病には様々な原因がありますが、糖尿病と高血圧がもっとも多い原因になります。また、肥満と喫煙も腎臓病のリスクを高めます。

腎臓病リスクを上げる原因

  1. 糖尿病
  2. 高血圧
  3. 肥満
  4. 喫煙

高血糖症(血糖値が高い状態)や高血圧は、腎臓の毛細血管にダメージを与え腎機能に甚大な影響を与えます。

腎機能の低下により、血中に代謝物(老廃物)や毒素が蓄積することで、様々な病気を引き起こします。よって、生活習慣(運動習慣、食習慣、睡眠習慣)を整え、腎臓機能が低下しないようにしなければなりません。

本記事では特に腎臓の健康にとって良いとされている食べ物について解説してあります。

もし腎臓の機能が低下している場合、血中に老廃物が蓄積しないような食習慣が大切です。そうすることで、腎機能を改善しさらなるダメージを防ぐことができます。
特に以下のミネラルの摂取を制限することが大切になります。
  1. ナトリウム
  2. カリウム
  3. リン

ナトリウム

ナトリウムは食塩の主成分です。腎機能が低下していると、ナトリウムが適切にろ過されず血中ナトリウム濃度が上がってしまいます。

ナトリウム摂取の制限をする場合、一日2000㎎以下にすることをおすすめします (Jelmer K. 2014, http://bit.ly/35ZpCnT)。

カリウム

カリウムは身体にとって大切なミネラルですが、腎臓病を患っている人の場合、摂取量を制限する必要があります。

腎臓へのダメージを防ぐためには、カリウムの一日の摂取量は2000㎎以下が望ましいです (Kovesdy CP, 2014, http://bit.ly/2JiASCa)。

リン

腎機能が低下している場合、腎臓はリンを排泄することができなくなります(リンは多くの食品に含まれています)。

腎臓でリンがろ過されないと、血中リン濃度が上昇し、身体の健康に摂って様々な弊害を引き起こします。

リンの一日の摂取量は、800-1000㎎以下が推奨されています (Emilio GP, 2012, http://bit.ly/2NesIvU)。

タンパク質

腎臓病を患っている場合、タンパク質も制限する必要があります。ただ、ご存じのようにタンパク質は、身体にとってはとても重要な栄養素です。

タンパク質が代謝されたときに出る代謝物が腎臓にダメージを与えますので、あらかじめ分解された形のアミノ酸を摂取することで代用できます。

しかし、人工透析を受けている人の場合、より多くのタンパク質を必要としますので制限してはいけません。

以下にご紹介する「腎臓に良い食べ物」は、ナトリウム、カリウム、リンの含有量が比較的少ない食べ物です。

それでは一つ一つ見ていきましょう。

腎臓に良い食べ物

カリフラワー

カリフラワー

カリフラワーには、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB(メチルフォーレート)が豊富に含まれています。

また、抗炎症作用があるインドール、さらに繊維質も豊富に含まれています。

カリフラワー1カップ(124g)中;

  • ナトリウム: 19 mg
  • カリウム: 176 mg
  • リン: 40 mg
ブルーベリー
ブルーベリーは抗酸化物質が豊富に含まれています。特にアントシアニンと呼ばれる抗酸化物質が豊富です。
アントシアニンは抗酸化作用を持っているだけでなく、心臓病や特定の癌、認知症、そして糖尿病の予防にもなると言われています。
ブルーベリー148g:
  • ナトリウム: 1.5 mg
  • カリウム: 114 mg
  • リン: 18 mg
  • ナトリウム: 110 mg
  • カリウム: 108 mg
  • リン: 10 mg

ニンニク

ニンニクには、マンガン、ビタミンC、ビタミンB6が含まれています。またニンニクに含まれている硫黄化合物には、抗炎症作用があります。

ニンニク9g:

  • ナトリウム: 1.5 mg
  • カリウム: 36 mg
  • リン: 14 mg

オリーブオイル

オリーブオイルに含まれている脂質は一価不飽和脂肪酸であり、抗炎症作用があります。

また、一価不飽和脂肪酸は高温においても安定しており、身体にも優しい脂質です。サラダ油などではなくオリーブオイルを多いに活用しましょう。

オリーブオイル28g:

  • ナトリウム: 0.6 mg
  • カリウム: 0.3 mg
  • リン: 0 mg

キャベツ

キャベツにはビタミンK、ビタミンC、ビタミンBが含まれています。

また、不溶性食物繊維も豊富に含まれています。不溶性食物繊維は、腸内環境を整える働きがあります。

キャベツ70g:

  • ナトリウム: 13 mg
  • カリウム: 119 mg
  • リン: 18 mg

ピーマン

ピーマン

ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは強力は抗酸化物質です。

また、ビタミンAも含まれています。この栄養素は免疫システムの強化に重要な働きを持っています。

ピーマン74 g:

  • ナトリウム: 3 mg
  • カリウム: 156 mg
  • リン: 19 m

玉ねぎ

玉ねぎには、ビタミンC、マンガン、ビタミンBが含まれています。

また、プレバイオティクスである繊維質も含まれており、腸内環境を整える働きがあります。

玉ねぎ70g:

  • ナトリウム: 3 mg
  • カリウム: 102 mg
  • リン: 20 mg

大根

大根にはビタミンCが豊富に含まれています。

ビタミンCには抗酸化作用があります。

大根58g:

  • ナトリウム: 23 mg
  • カリウム: 135 mg
  • リン: 12 mg

パイナップル

パイナップル

果物(オレンジ、バナナ、キウイなど)には多くのカリウムが含まれています。

しかし、パイナップルのカリウム含有量は比較的少ないので、腎臓を患っている人でも食べることができます。

また、パイナップルにはビタミンB、線維、マンガン、ブロメライン(抗炎症作用のある酵素)が含まれています。

パイナップル165g:

  • ナトリウム: 2 mg
  • カリウム: 180 mg
  • リン: 13 mg

クランベリー

クランベリーにはプロアントシアニジン(フィトケミカルの一種)が含まれており、尿管や膀胱のバクテリア感染を予防する働きがあります。

また、腎臓病がある場合、尿管の感染症リスクが高くなるので、クランベリーは腎臓病の人にとっては大きなベネフィットがあります。

クランベリー100g:

  • ナトリウム: 2 mg
  • カリウム: 85 mg
  • リン: 13 mg

シイタケ

シイタケ

シイタケにはビタミンB、銅、マンガン、セレニウム、植物由来のタンパク質、そして繊維質も豊富に含まれています。

シイタケ145g:

  • ナトリウム 6 mg
  • カリウム: 170 mg
  • リン: 42 mg

まとめ

上記でご紹介した食べ物は、腎臓病を患っている人にとっては、安心して食べられるものばかりです。

もちろん、腎臓に問題がない人にとってもこれらの食べ物は健康に良いものばかりです。

以下に上記でご紹介した「腎臓に良い食べ物」のナトリウム、カリウム、リンの含有量をまとめておきます。

ナトリウム カリウム リン
カリフラワー(124g) 19 mg 176㎎ 40㎎
ブルーベリー(148g) 1.5 mg 114㎎ 18㎎
卵の白身(大2個) 110 mg 108㎎ 10㎎
ニンニク(9g) 1.5 mg 36㎎ 14㎎
オリーブオイル(28g) 0.6 mg 0.3㎎ 0㎎
キャベツ(70g) 13 mg 119㎎ 18㎎
ピーマン(74g) 3 mg 156㎎ 19㎎
玉ねぎ 3 mg 102 mg 20㎎
大根58g 23 mg 135㎎ 12㎎
パイナップル(165g) 2 mg 180㎎ 13㎎
クランベリー(100g) 2 mg 85㎎ 13㎎
シイタケ(145g) 6 mg 170㎎ 42㎎

 

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参考文献

  1. Jelmer K. Humalda, Gerjan Navis: Dietary sodium restriction: a neglected therapeutic opportunity in chronic kidney disease.. 2014 Nov; 23(6): 533–540 (http://bit.ly/35ZpCnT).
  2. Kovesdy CP: Management of hyperkalaemia in chronic kidney disease. 2014 Nov;10(11):653-62 (http://bit.ly/2JiASCa).
  3. Emilio González-Parra, Carolina Gracia-Iguacel, Jesús Egido, Alberto Ortiz: Phosphorus and Nutrition in Chronic Kidney Disease. . 2012 (http://bit.ly/2NesIvU).

 

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