メラトニンの睡眠効果と代替のサプリメント

  • 2019年9月8日
  • 2019年9月9日
  • 栄養
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メラトニンは脳内(松果体)で分泌されているホルモンの一つです。サーカディアンリズムをコントロールする働きがあります。

サーカディアンリズムとは体内時計のことです。特に睡眠と覚醒のリズムをコントロールしています。つまり、メラトニンの分泌量が少ないと夜寝られなくなったり(不眠症)、昼間に眠たくなったりします。

本記事ではメラトニンサプリメントの効果・効用についてお話していきます。

メラトニンサプリメントの効果

先ほども書きましたが、メラトニンは睡眠をコントロールしている栄養素(ホルモン)です。

なので、メラトニンサプリメントを摂取すると、サーカディアンリズムが整い、「夜ぐっすり寝て、朝すっきり起きる」ことができるようになります。

しかし、脳内で十分なメラトニンが分泌されている人の場合、メラトニンサプリメントを摂ってもあまり効果は感じられないでしょう。あくまでも、メラトニン分泌が低下している人の場合に限ります。

ただ、メラトニン不足かどうかは試してみないとわかりません。「寝つきが悪い」とか「朝なかなか起きられない」という人は、一度試してみるのもありですね。

しかし、一つ大きな問題があります。それは、メラトニンは日本では製造・販売が禁止されています。つまり、メラトニンサプリメントは日本では入手不可能なのです。

メラトニンサプリメントは日本で入手不可能!?

先にも書きましたが、メラトニンは医薬品扱いのホルモン製剤ということになります。従って、日本では許可なくメラトニンを製造・販売すると薬事法違反になってしまいます。

現段階で国内のサプリメント会社、または製薬会社でメラトニンを製造しているところはありません。ということは、日本ではメラトニンは入手不可能・・・というわけではありません。

メラトニンは海外から個人輸入することができます。ただし、1回の注文の数量は限定されています。

メラトニン以外に睡眠を促すサプリメント(栄養素)

メラトニン以外にも「質の良い睡眠をサポート」してくれるサプリメントはあります。このセクションではそれらについてご紹介したいと思います。

グリシン

グリシンはアミノ酸でもあり神経伝達物質でもあります(神経系の興奮&抑制の両方の作用あり)。睡眠の質を上げる働きがあります。

グリシンは非必須アミノ酸なので、体内でも常に生成・分泌されています。グリシンの多くはセリンから合成されていますが、コリンとスレオニンからも合成されます。

グリシンを多く含む食べ物には、肉や魚、卵などがあります。従って、ベジタリアン(またはビーガン)でもない限り、グリシンが欠乏するということはありません。

グリシンには、睡眠の質を上げる働き以外にも、以下のような働きがあります。

  • 記憶力の向上
  • インスリン抵抗性の改善
  • 切り傷の治癒促進(塗り薬タイプ)

また、グリシンは統合失調症の治療に使われることもあります。大抵の場合、処方薬と併用して使われます。

さらに、グリシンは虚血性脳卒中(一般的な脳卒中のこと)の患者にも使われます。ただし、脳卒中が起こってから6時間以内の脳細胞のダメージを抑えるのに有効なので、このタイミングで使われます。

グリシンLife Extension, グリシン、1,000 mg(商品リンク)
グリシンは、幅広い機能があります。ほとんどのタンパク質の生成に欠かせないものです。また、グリコーゲンの貯蔵を促進します。さらに、脳内で神経伝達を抑制する働きもあり、健康的な睡眠パターンの維持に重要な物質でもあります。

テアニン

テアニンはアミノ酸の一種であり、緑茶に多く含まれている栄養素です。テアニンはGABA(gamma-aminobutyric acid)の分泌を促進することがわかっています。

GABAは神経伝達物質の一つであり、リラクゼーション効果があるので(不安の軽減に効果あり)、睡眠の質を上げることができます。GABAはサプリメントとして流通しています。

それならば、「GABAを直接摂れば良いのではないか?」と思うでしょう。しかし、人工合成されたGABAは体内での吸収率が悪い(利用効率が低い)と言われています。

よって、GABAではなくテアニンのサプリメントを摂り、体内での自然なGABAの分泌を高める方がおすすめです。

テアニンCalifornia Gold Nutrition, L-テアニン
L-テアニンは緑茶の葉に含まれるアミノ酸であり、リラックス効果が期待できます。 認知機能の改善とストレスの減少を求めている方にとって最適です。

イチョウ葉エキス(Ginkgo Biloba)

イチョウ葉エキスは漢方(ハーブ)の一種です。記憶や認知機能の低下を防ぐ働きがあるので、アルツハイマー型認知症の予防に効果的と言われています。

しかし、イチョウ葉エキスには、睡眠の質を上げる働きもあります。就寝の30分から60分前に摂ることでストレスを低減し、心身をリラックスさせる働きがあります。

特に不安症傾向で不眠に悩まされているのなら、イチョウ葉エキスが第一の選択になるかもしれません。

現代のようなストレス社会においては、不安症は多くの人が悩まされている症状です。

外的環境(人間関係や仕事、家庭など)によって神経過敏になっている場合もありますが、その場合もイチョウ葉エキスのサプリメントを試してみる価値はあります。

イチョウ葉エキスは、以上説明してきた症状以外にも、以下の症状に有効です。

  • 慢性疲労
  • 集中力の欠如
  • 強い強迫観念
  • イライラ感
  • 吐き気
  • 不整脈
  • 震え

イチョウ葉エキスNow Foods, Ginkgo Biloba, 60 mg
イチョウ葉エキスは強力な抗酸化作用があったことが実証されています。また、不安症傾向の人の不眠改善にも効果的です。

おすすめのメラトニンサプリメント

先にも書きましたが、国産のメラトニンサプリメントはありませんので、海外から個人輸入することになります。

以下におすすめのメラトニンサプリメントを2つご紹介します。

メラトニンNow Foods, メラトニン, 3 mg, 60 カプセル(商品リンク)
メラトニンは松果体から分泌される天然の化合物です。睡眠のリズム(サーカディアンリズム)や免疫機能を調節します。

メラトニンNatrol, メラトニン、3 mg、 60錠(商品リンク)
正常な睡眠パターンの確立に役立ちます。体の自然なメラトニン生成をサポートをするビタミンB6含有。メラトニンは、不定期の不眠向けの夜間の睡眠補助剤です。

メラトニンの代替品はトリプトファンと5HTP

トリプトファンと5HTPは、いずれもメラトニンの前駆体です。つまり、トリプトファンと5HTPがなければ、メラトニンの合成量は減ります。

セロトニンの前駆体、トリプトファン、5HTP

上記のような代謝プロセスを経てメラトニンは合成されます。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、喜怒哀楽に強くリンクしている神経伝達物質です。脳内のセロトニン合成量が減ると感情の起伏が激しくなるので、いわゆる情緒不安定になってしまいます。

いずれにしても、トリプトファンと5HTPは、メラトニン合成の材料になる栄養素であることがわかると思います。

トリプトファンはバナナや牛乳に豊富に含まれていますので、サプリメントで摂る前にそれらの食べ物を試してみるのがおすすめです(何といっても自然の力に優るものはありません)。

トリプトファンについては、以下の記事で詳細に解説してあるので、そちらも参考にしてみてください。

トリプトファンのおすすめサプリメントはこちらです。

トリプトファンNow Foods, L-トリプトファン、500 mg、120 ベジタブルカプセル
L-トリプトファンは必須アミノ酸であり、食事から摂取する必要があります。L-トリプトファンは、前向きな気分、質の良い睡眠、および適切な免疫系機能のサポートを促進するセロトニンとメラトニンの生成に不可欠です。

5HTPはあまり聞きなれない名前だと思います。トリプトファンよりもメラトニンに近い前駆体なので、変換効率は高いと思います。
海外ではとてもポピュラーなサプリメントで、価格も良心的です。

5HTPサプリメントDoctor’s Best, Best 5-HTP、100 mg、植物性カプセル 60粒
5-HTP (5-ヒドロキシル L-トリプトファン)はグリフォニア・シンプリシフォリアの種の抽出物です。5-HTPは、神経の接合部(シナプス)にある神経伝達物質、セロトニンに脳内で変換されます。心を落ち着かせる効果があり、健全な精神と感情を維持し、健康的な睡眠を促進します。

まとめ

  • メラトニンはサーカディアンリズム(体内時計)をコントロールする働きがあります。
  • メラトニンサプリメントを摂取すると、「夜ぐっすり寝て、朝すっきり起きる」ことができるようになります。
  • メラトニン以外の快眠サプリには、グリシン、テアニン、イチョウ葉エキスがあります。
  • メラトニンの前駆体はトリプトファンと5HTPです。
  • トリプトファンはバナナや牛乳に多く含まれています。
  • 5HTPはサプリメントとして摂ることができます。

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