尺骨神経の走行・機能・絞扼箇所・関連症状

走行

尺骨神経はC8/T1脊髄神経から起こります。腕神経叢の内側神経束から分岐した後、尺骨神経となります。

腋窩

尺骨神経は腋窩において、烏口腕筋の内側、腋窩動脈の外側を走行しています。

上腕

上腕の近位1/3では、烏口腕筋の下側を走行しています。

遠位2/3では内側上腕筋間中隔と上腕三頭筋内側頭の間を下行し、内側上顆の後方を走行しています。

前腕

内側上顆の後方を下行した後、尺側手根屈筋の下側を走行しています。

手根管を抜けた後、豆状骨と鈎状骨(ギヨン管症)の間を下行します。

その後、第4指(環指)内側1/2と小指に伸びています。

機能

 

知覚

手背枝

第4指内側と第5指に分布しています。

掌枝

手根管の近位部で分岐した後、小指付け根付近の皮膚に分布しています。

深枝

手根骨の関節の関節包に分布しています。

運動

筋枝

尺側手根屈筋と深指屈筋に終止しています。

浅枝

短掌筋に終止しています。

深枝

骨間筋、虫様筋、短母指屈筋、母指内転筋、小指球筋(小指外転筋、小指対立筋、短小屈筋)に終止しています。

絞扼箇所

腋窩

腋窩における尺骨神経の絞扼障害は、松葉杖などによる物理的圧迫や上腕骨頭の前方脱臼が原因となります。

また、正中神経や橈骨神経の絞扼障害も併発していることが多いです。

Struthers腱弓

Struthers腱弓は70%の人に存在する腱様の軟部組織です。

内側上腕筋間中隔

内側上腕筋間中隔は烏口腕筋の停止部から内側上顆まで伸びている構造です。前側に上腕筋、後側には上腕三頭筋があります。

肘部管

肘部管は内側上顆の後方から尺側手根屈筋腱(腱膜)の領域のことです。

ギヨン管

豆状骨と有鈎骨の間のトンネル構造をギヨン管(または尺骨神経管)と言います。

尺骨神経と尺骨動脈が走行しています。

 

 

筋膜孔(手背枝)

豆状骨の5㎝近位で筋膜孔を貫通し、その後、尺側手根屈筋腱を前方に横切ります。尺骨神経手背枝はこの筋膜孔において絞扼を受けます。

筋膜孔を出た後、手背枝は第5中足骨底の上を通過し遠位に伸びています(下図矢印)。

 

関連症状

肘部管症候群

肘部管における尺骨神経の絞扼障害です。

特に尺側手根屈筋の腱膜における絞扼が好発します。

ギヨン管症候群

ギヨン管における尺骨神経の浅枝または深枝の絞扼障害です。

有鈎骨鈎の骨折(ゴルファーに比較的多い)の後、ギヨン管周辺軟部組織の線維化により、尺骨神経の絞扼障害が起こることがあります。

関連動画

 

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