体脂肪を燃焼させるためには、有酸素運動は必須です。これは、私の33年のボディビル経験からも断言できます。
有酸素運動の代表と言えばランニング(ジョギング)ですね。私もボディビル大会に向けて、必ずランニングを行いました。
本記事では、体脂肪燃焼にとってもっとも効率的なランニング(有酸素トレーニング)の方法について、実体験+エビデンスに基づいて解説してみたいと思います。
体脂肪燃焼にベストなランニングのタイミング
人間のエネルギー源の優先順位は、炭水化物(グリコーゲン)が1番、2番目が脂肪です(状況次第ではタンパク質がエネルギー源として使われることもあります)。
身体に蓄えられている炭水化物(グリコーゲン)がある程度、枯渇してくると脂肪が燃料として燃え始めるというイメージです。
従って、体脂肪の燃焼効率を上げるためには、身体の中の炭水化物(グリコーゲン)が極力少ないタイミングでランニングなどの有酸素運動を行うのがベストです。
そのタイミングとは、ずばり「朝起きてすぐ」です。
ちなみに、グリコーゲンが蓄えられる場所は、筋肉と肝臓の2か所です。
朝起きてすぐのタイミングは、身体の中の炭水化物(グリコーゲン)が低いレベルになっています。なぜなら、前日の夜から絶食状態だからです。
例えば、晩ご飯を午後7時に摂り朝7時に起床した場合、12時間絶食状態だったことになります。
このタイミングでランニングを行えば、体脂肪が優先的にエネルギーとして使われます。よって、体脂肪の効率的な燃焼のためには、ぜひとも朝起きてすぐのタイミングでランニングを行うようにしましょう。
体脂肪燃焼に必要なランニングの持続時間
ずばり、30分が最低ラインとなります。
その根拠は、炭水化物(グリコーゲン)と脂肪の燃焼の仕方は異なるからです。
炭水化物(グリコーゲン)が燃えるとき(エネルギーとして使われるとき)、まるで「紙に火をつける」ようなイメージです。つまり、身体を動かせばすぐに燃え始めます。
一方、脂肪では「丸太に火をつける」イメージです。なかなか、火がついてくれません(燃えてくれない)。つまり、脂肪に火をつけるには時間がかかるのです。
そのおよその時間が30分と言われています(20分というエビデンスもあります)。もう一つ、知っておいて欲しいことがあります。
丸太に火をつけるときどうしますか?目の前の丸太に直接ライターの火を近づけますか?これ、なかなか火がつかないと思います(笑)。
おそらく、紙に火をつけてその火を使って丸太に火をつけるのではないでしょうか。勘のいいひとはもう気づいたと思いますが、脂肪を燃やすためにはある程度の炭水化物が必要なのです。
従って、身体の中に少しだけ炭水化物がある状態でランニングを始めると、脂肪に火がつきやすくなります。
体脂肪を1㎏燃焼させるのに必要なランニングの量
脂肪1g当たりのカロリー(熱量)は、9キロカロリーです。そして、運動によるカロリー消費量の計算式は以下の通りです。
体脂肪燃焼にベストなランニングの方法
ここでは、私自身がもっとも体脂肪燃焼に効果があった方法をご紹介します。
まず、よく耳にする「心拍数を110くらいに維持して運動すると体脂肪が燃焼しやすい」というのは忘れてください。
心拍数別に体脂肪の燃焼効率を測定した研究論文がありますが、ほとんど変わりません(研究としては「有意差あり」ですが)。
基本的には「ハードに運動をすれば、それだけ消費カロリーは増える」のですから、心拍数を気にして緩く有酸素運動を行うというのは時間の無駄、そして非効率的です(心臓などに疾患を抱えているのなら話は別ですが)。
ですから、心拍数など気にせず、30分以上持続可能な強度(速度)でランニングを行うようにしてください。もちろん、後半にかけて速度が遅くなるのは構いません。大切なのは持続時間です。
体脂肪燃焼を持続させる方法
基本的に運動中に体脂肪が燃焼します。しかし、私たちの身体は運動直後もしばらく体脂肪が燃焼している状態です。
その持続時間はおよそ1時間。有酸素運動(ランニング)を終えて1時間は、じっとしているだけでも体脂肪が燃焼しています。
よって、運動直後からの1時間は「体脂肪燃焼のゴールデンタイム」です。これを活用しない手はありません。
そして、ゴールデンタイムの効果を最大限引き出すために注意しなければならないことが1点だけあります。それは、その間、何も食べないことです。
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まとめ
以上を簡単にまとめておきます。
- 朝起きてすぐのタイミングでランニングに行うと体脂肪が良く燃える
- 体脂肪燃焼のためには最低でも30分以上のランニングを行う
- 心拍数など気にせず30分以上持続可能な最大速度でランニングを行う
- さらに体脂肪を燃焼させたい場合はダッシュ+ランを行う
- 体脂肪燃焼モード(ランニング後の1時間)には何も食べないこと
参考文献
- Ainsworth BE, Haskell WL, Herrmann SD, Meckes N, Bassett DR Jr, Tudor-Locke C,
Greer JL, Vezina J, Whitt-Glover MC, Leon AS: 2011 Compendium of Physical Activities: A Second Update of Codes and MET Values. Med Sci Sports Exerc. 2011 Aug;43(8):1575-81. doi: 10.1249/MSS.0b013e31821ece12 (http://bit.ly/30CaqtQ).