ダイエットでもっとも大切なことは、筋量を減らさないようにすることです。そのためには、筋トレを大いに活用するべできです。筋トレによって筋量を維持しながら、健康的にダイエットするのが本来のあるべき姿です。
ところで、「筋トレするためにはジムへ入会しなければならないの?」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
鉄アレイが1セットあれば、自宅で全身の筋トレを行うことができます。筋トレが習慣化して、「もっといろいろな筋トレをしてみたい」と感じたら、そのときジムへの入会を考えればよいでしょう。
それでは、自宅でできる筋トレダイエットメニューについて解説していきます。
筋トレの超基本的な知識
その前に、筋トレの超基本的な知識が必要です。
まず、全身を6つの部位に分け、それをローテーションさせていきます。
詳細は以下の記事にも書かれてありますので、そちらを参照していただければ幸いです。
ダイエットと筋トレはとても相性がいいです。つまり、ダイエットに筋トレを加えることで、比較的早い段階で効果を体感できます。 「筋トレがダイエットに効果的」であることのエビデンスもたくさんあります。 例えば、「筋トレと有酸素運動のダ[…]
ここでは簡単にまとめておくことにします。
まず、6部位とは以下の通りです。
- 大胸筋
- 三角筋(肩の筋肉)
- 上腕三頭筋
- 広背筋(背中の筋肉)
- 上腕二頭筋
- 脚(大腿四頭筋とハムストリング)
筋トレではこれらの6部位を満遍なく鍛えていきます。通常は「分割法」によって、1回の筋トレで行う部位を2つまたは3つ選びますが、初心者トレーニーは1回で6部位全てを筋トレするとよいでしょう。
この辺のことも上記の関連記事に詳細を説明していますので、一読をおすすめします。
それでは、いよいよ本題です。
以下のルーティンを1つ2kgから3kg程度のダンベル(鉄アレイ)のペアを使って行います。
最初の1か月は筋トレの習慣化から
ダイエットは長期線です。そして、「目標に到達したら終り」ということではありません。
せっかく、筋トレを活用してダイエットをすると決めたのなら、それを習慣化することを目指しましょう。
筋トレを習慣化できれば、「筋トレをしないと何だか気分がすっきりしない」というもやもやした気分になってきます。そうなってしまえば、苦も無く筋トレを続けられるようになります。
筋トレを習慣化する際に、気を付けなければならないことが一つあります。それは、「ベビーステップ」で始めるということ。
ベビーステップというのは、言い換えれば「敷居を低く設定すること」です。最初から頑張り過ぎて大きな目標を掲げないようにします。足元にある小さなステップを一つ一つクリアしていくことを目標にしましょう。
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
大胸筋 | ダンベルベンチプレス | 2セット×20レップス |
広背筋 | ダンベルベントオーバーローイング | 2セット×20レップス |
三角筋 | ダンベルショルダープレス | 2セット×20レップス |
上腕三頭筋 | ダンベルフレンチプレス | 2セット×20レップス |
上腕二頭筋 | ダンベルカール | 2セット×20レップス |
脚 | ダンベルスクワット スティッフレッグデッドリフト |
2セット×20レップス 2セット×20レップス |
上記の筋トレメニューを1日置きに行います。もし、仕事の都合などで実行が難しい場合は、週末(お休みの日)に1回と平日のどこかで1回の週2回でも構いません。
慣れてきたら(習慣化されてきたら)、徐々に筋トレ頻度を上げていきます。1カ月目の目標は週3回の筋トレです。
総セット数は14セットになります。レップス数は20レップスを目標にしましょう。そして、セット間のインターバルは30秒以内にします。
筋トレ中は若干息が上がる程度の心拍数を維持しましょう(体脂肪燃焼効果が高まります)。イメージとしては筋トレと有酸素運動の中間くらいの運動強度です。
21セットをテンポよく行ったら、おそらく30分から40分以内に終えることができると思います。
最初の1カ月目の目標は、上記のメニューを週3回難なくこなせるようになることです(習慣化すること)。
2カ月目は筋トレの頻度を上げてみる
1カ月目に習慣化されたら、次はさらに筋トレ頻度を上げていきます。2カ月目の目標は「2日オン1日オフ」で筋トレを継続すること。
2日オン1日オフというのは、2日筋トレして1日オフを繰り返すことです。
2カ月目からは2分割法で筋トレを始めると良いでしょう。2分割法により、1つの部位(筋肉)により多くのセット数を組むことができます(基本的には2倍)。
2分割法と言うのは、先ほどご紹介した6部位を3部位ずつに分けて筋トレルーティンを組む方法のことです。具体的には以下のようになります。
筋トレA:大胸筋、三角筋、上腕三頭筋
筋トレB:広背筋、上腕二頭筋、脚
2日オン1日オフのルーティンで筋トレAと筋トレBをローテーションさせていきます。つまり、A⇒B⇒オフ⇒A⇒B⇒オフ⇒A・・・・という具合です。
1カ月目は1回の筋トレで全身を鍛えていましたが、2カ月目からはそれを2回に分割します。具体的には以下のようなルーティンになります。
筋トレA
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
大胸筋 | ダンベルベンチプレス ダンベルフライ |
3セット×20レップス 3セット×20レップス |
三角筋 | ダンベルショルダープレス サイドレイズ |
3セット×20レップス 3セット×20レップス |
上腕三頭筋 | ダンベルフレンチプレス | 4セット×20レップス |
筋トレAの総セット数は16セットになります。1回の筋トレ時間は30分以内に収めるようにしましょう。物足りない場合は適宜セット数を増やすようにします。
筋トレB
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
広背筋 | ダンベルベントオーバーロー ワンハンドダンベルロー |
3セット×20レップス 3セット×20レップス |
上腕二頭筋 | ダンベルカール | 4セット×20レップス |
脚 | ダンベルスクワット ランジ スタンディングレッグカール |
3セット×20レップス 3セット×20レップス 3セット×20レップス |
筋トレBの総セット数は19セット。こちらも30分以内で終わらせるようにします。脚の種目が3種目になっています。
脚の筋トレは、脚の筋肉だけでなく全身を使って行いますので、基礎代謝を上げるにはとても良い筋トレになります。
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3カ月目は3日オン1日オフのルーティンで
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3カ月目はいよいよ3日オン1日オフの筋トレルーティンになります(3日筋トレして1日お休み)。これを3分割法で行います。
もっともオーソドックスな3分割法は以下のような感じになります。
筋トレA:大胸筋、上腕三頭筋
筋トレB:広背筋、上腕二頭筋
筋トレC:三角筋、脚
これらの3日オン1日オフでローテーションさせていきます。つまり、A⇒B⇒C⇒オフ⇒A⇒B⇒C⇒オフ⇒A⇒B⇒C⇒オフ・・・・という具合になります。3回の筋トレで全身を1回筋トレしたことになります。
2分割よりも1部位に対してより多くのセット数をこなすことが可能になりますので、1つの筋肉により強い刺激を与えることができます。
筋トレA
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
大胸筋 | ダンベルベンチプレス ダンベルフライ 腕立て伏せ |
4セット×20レップス 4セット×20レップス 3セット×20レップス |
上腕三頭筋 | ダンベルフレンチプレス キックバック |
4セット×20レップス 3セット×20レップス |
筋トレB
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
広背筋 | ダンベルベントオーバーロー ワンハンドダンベルロー |
4セット×20レップス 4セット×20レップス |
上腕二頭筋 | ダンベルカール コンセントレーションカール |
4セット×20レップス 4セット×20レップス |
筋トレC
部位 | 種目 | セット数×レップス数 |
三角筋 | ショルダープレス サイドレイズ |
4セット×20レップス 4セット×20レップス |
脚 | ダンベルスクワット ランジ サイドランジ |
4セット×20レップス 4セット×20レップス 3セット×20レップス |
筋トレのコツは感覚をとらえること
ダイエット効果を目的に筋トレをする場合、1セット当たりのレップス数を多めに設定しましょう。上記では20レップスとしてありますが、もし余裕がある場合30レップスから50レップス程度まで増やしても構いません。
また、筋トレ中はただやみくもに身体を動かすのではなく、ターゲットの筋肉を意識して行うことが重要なポイントになります。
例えば、ダンベルベンチプレスのターゲットは大胸筋ですので、この種目の筋トレ中は常に大胸筋の伸縮を意識しましょう。頭の中で筋肉が伸びたり縮んだりするのを想像するだけでも随分と違います。
そのためには、レップスは常にコントロールされた状態にします。具体的には1秒かけてウエイトを下ろし、1秒かけてウエイトを上げます。
ウエイトを上げ下げする軌道を微調整しながら、ターゲットの筋肉にいかに負荷をかけられるかを考えながらやってみてください。
自分自身、33年間の筋トレを通じて実感していることは、「筋トレは感覚のトレーニングである」ということです。ターゲットの筋肉に負荷が乗っている感覚を追い求めれば、無数にあるウエイトの軌道は1つだけに定まります。
筋トレの効果がなかなか現れないというトレーニーは、おそらく筋トレ中の感覚がついてきていないのだと思います(もしくは感覚を意識して筋トレしていない)。
鍛えている筋肉が伸縮する感覚を捉えながら(意識しながら)、筋トレするようにしてみましょう。
最初はなかなか感覚がつかめないと思います。しかし、何度も反復することで、私が言っていることが次第にわかってくるはずです。
これは、筋トレを始めた誰もが通る道、絶対に避けては通れない道です。ぜひ、乗り越えてください
まとめ
- 最初の1か月は筋トレの習慣化を目的にする
- ダイエット効果を目的にするなら、1セット当たりのレップス数を20レップス以上に設定する
- 2カ月目、3カ月目は1部位当たりのセット数を増やすために分割法を取り入れる
- ターゲットの筋肉に負荷が乗っている感覚を意識して筋トレを行う
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