恥骨結合は左右の恥骨が連結して形成されており、その間には恥骨間円板と呼ばれる線維軟骨性組織が挟まっています。
恥骨結合は滑膜性関節であり、わずかですが可動性を持っています。
本記事では恥骨結合の関節運動学と関連症状について解説してあります。
関節運動学
恥骨結合には以下の2方向の運動があります。
- 内転・外転
- 上方回旋・下方回旋
内転・外転
恥骨結合の内転・外転の運動は、仙骨うなずき運動(屈曲・伸展)と連動しています。
仙骨が屈曲(うなずき)すると、恥骨結合では外転が起こります。
一方、仙骨が伸展(起き上がり)すると、恥骨結合では内転が起こります。
- 仙骨の屈曲⇒恥骨結合の内転
- 仙骨の伸展⇒恥骨結合の外転
それでは、恥骨結合の内転と外転をもう少し詳しく見ていきます。
まず恥骨結合の内転からです。
内転では恥骨結合の上部が離解し下部が圧迫します(下図)。
一方、外転では恥骨結合の上部が圧迫、下部が理解します(下図)。
- 内転⇒恥骨結合上部の離解+下部の圧迫
- 外転⇒恥骨結合上部の圧迫+下部の離解
上方回旋・下方回旋
恥骨結合の上方回旋・下方回旋は、腸骨の後方回旋・前方回旋と連動しています。
腸骨が後方回旋すると恥骨結合では上方回旋が起こります。
また、腸骨が前方回旋すると恥骨結合では下方回旋が起こります。
- 腸骨の後方回旋⇒恥骨結合の上方回旋
- 腸骨の前方回旋⇒恥骨結合の下方回旋
関連症状
恥骨結合炎
恥骨結合炎の原因には、感染症やスポーツ障害(傷害)、妊娠(産後)などがあります。
症状は恥骨結合の局所的な鋭い痛みです。
ダッシュやスクワットなどで痛みが増悪します。またサッカーでボールを蹴る瞬間に恥骨結合に鋭い痛みが現れる場合もあります。
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関節運動学のおすすめ書籍
以下の2冊は関節運動学を理解するためにとてもよい教材となります。
カパンジーで関節運動学の基礎を学び、「筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版」でさらに詳細を理解するのがおすすめです。
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「III 脊椎・体幹・頭部」では,「重心」「関節」に関する新項目が追加されたほか,各巻に「解剖学用語一覧」を掲載
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