ミルクプロテインは牛乳から抽出されたタンパク質のことです。
牛乳には、ホエイプロテインとカゼインプロテインの2種類のタンパク質が含まれています。
現在、多くの種類のプロテインが出回っており、トレーニーの中には「いったい、どのプロテインパウダーを飲んだらいいの?」と迷っている人も多いと思います。
本記事ではミルクプロテインのメリット・デメリットについて解説していきます。
基本的にはホエイプロテインとカゼインプロテインの比較になります。
それぞれのプロテインパウダーのメリットとデメリットを把握しておけば、最良のタイミングでこれらのプロテインパウダーを飲み分けることができるようになります。
せっかくのハードトレーニングを無駄にしないためにも、これから解説することを大いに活用してください。
ミルクプロテインのメリット
ミルクプロテインの最大のメリットは「アンチカタボリック効果(Anti-catabolic effect)」です。
アンチカタボリックとは、筋肉が分解されるのを防ぐ働きです。
これはトレーニーにとっては、とても重要なメリットですね。
特に減量中(ダイエット中)のカロリー制限をしているときは、ミルクプロテインのアンチカタボリック効果は威力を発揮してくれます。
また、寝ている間もカロリー摂取ができませんので、寝る前にミルクプロテインを摂るのも良いアイデアです。
しかし、気を付けなければならないことが一つあります。
寝る前にホエイプロテインをおすすめしない理由
それは、ミルクプロテインの一つであるホエイプロテインの場合、摂取してから消化・吸収されるまでの時間がとても短いことです。
例えば、20gのホエイプロテインが消化・吸収されるのに必要な時間は、2時間ほどしかかかりません。
睡眠時間が8時間だとすると残りの6時間は、カタボリック状態(筋肉が分解される状態)に陥りかねません。
従って、寝る前のホエイプロテインは、持続性という意味ではおすすめしません。
寝る前のミルクプロテインは、カゼインプロテインの一択です。
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寝る前はカゼインプロテインが効果的
カゼインプロテインは、ホエイプロテインと異なり、タイムドリリース型プロテインです。
タイムドリリースというのは、「時間をかけて徐々に消化・吸収」されることを言います。
つまり、ホエイプロテインのように即効性はありませんので、筋トレ直後や朝起きてすぐのような迅速なタンパク質の補給が必要なタイミングには適していません。
しかし、寝る前のように長時間、栄養を摂ることができない場合は、効果を発揮してくれます。
寝る前に飲むプロテインはカゼインプロテインの一択です。
タンパク質は、運動前や筋肉の回復を促進する運動直後にとり、素早い吸収が理想とされていますが、数時間のあいだ食べ物をとることのない就寝前など、消化・吸収が遅くてもより多くのメリットをもたらす場合があります。カゼインプロテインは酸に対する感受性が良く、胃の中で濃縮されやすい物質です。他社のタンパク質製品と比較してGold Standard 100% Caseinは、より多くの時間をかけてアミノ酸へと分解します。また本製品は人工香料、甘味料、合成着色料を一切使用せず、徐放性に優れたカゼインミセルからとられたタンパク質のみを使用しています。
ミルクプロテインのデメリット
ミルクプロテインのデメリットは2つあります。
それは、ミルクプロテインに含まれている以下の2つの栄養成分です。
- カゼイン
- 乳糖
全ての人でないですが、これらの栄養素にアレルギーを持っている人がいます。
そのような人が、ミルクプロテインを飲むと下痢をしたり便秘になったりなど、胃腸の調子を崩してしまいます。
カゼインアレルギー
通常、カゼインアレルギーは小児のころに判明しているケースが多いです。
免疫システムがカゼインを外敵と誤認識してしまうことで、アレルギー反応が起こります(母乳で育った小児の場合、カゼインアレルギーの発症率は極めて低いと言われています)。
カゼインアレルギーの症状には、以下のものがあります。
- くちびる、舌、顔、喉の腫れ
- 皮膚の発疹、かゆみ
- 目のかゆみ
- 咳
- 鼻水
もっとも、重症なカゼインアレルギーの症状は、アナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショックは命に関わる、とても危険な状態です。
喘息の既往症や他の食物アレルギーがある場合、注意が必要です。
乳糖不耐症
乳糖はミルクプロテインに含まれている糖質です。
乳糖を分解する酵素はラクターゼですが、この酵素がないと乳糖の消化ができないために様々な症状を起こします。
アジア人の80%は乳糖不耐症であると言われています。
一方、白人で乳糖不耐症の割合は20%と圧倒的に少ないです。
乳糖不耐症の代表的な症状は以下の通りです。
- 腹痛
- 膨満感
- 下痢
- ガス(おなら)
- 下痢
乳糖不耐症の人でミルクプロテインを飲む場合は、ラクターゼを合わせて摂るようにすると問題ありません。
Now Foods, 乳製品消化コンプリート、植物性カプセル90個(商品リンク)
NOW 乳製品消化コンプリートは、乳製品の消化を促すように配合された酵素の包括的なブレンドです。乳製品に対する不耐性の多くは、ラクトースとして知られる乳糖を消化できないことが原因です。しかし、不耐症は乳製品に固有の消化困難なタンパク質や脂肪に関連していることもよくあるのです。NOW 乳製品消化コンプリートは、ラクトースを消化するラクターゼと乳タンパク質と脂肪を特に標的とするプロテアーゼとリパーゼを組み合わせて消化を促します。
身体がカタボリック状態に陥るのを極力避けろ!
筋トレによって破壊された筋線維は、休息時に修復され強く・太くなります(超回復)。
その際、修復の材料となるタンパク質です。
従って、トレーニングをしていないときに、いかに身体のアナボリック状態に維持できるかが、筋肉を大きくするカギです。
アナボリックとは筋肉の合成という意味。
先ほども書いたように、ミルクプロテインにはアンチカタボリック効果、筋肉の分解を抑える効果があります。
ミルクプロテインのアンチカタボリック効果を最大限活かすためには、ホエイプロテインを併用することをおすすめします。
具体的にはホエイプロテインを牛乳に溶かして飲むと良いでしょう。
バルクアップ(筋肥大)を目指すなら、筋肉を大きくするチャンスを一瞬たりとも逃さず、常に最善を尽くしましょう。
ミルクプロテインの効果を最大限に引き出すために
ミルクプロテインの効果を最大限引き出すためには、高頻度でミルクプロテインを摂ると良いでしょう。
そうすることによって、筋肉がカタボリック状態に陥るのを防ぐことができます。
1回の摂取量を少なくして、それを複数回に分けて飲むようにします。
以下はモデルプランです。
- 6:00 朝起きてすぐ20g(ホエイプロテイン100%)
- 10:00 昼前に10g (ホエイ:カゼイン=1:1)
- 15:00 夕食前に10g (ホエイ:カゼイン=1:1)
- 19:00 筋トレ後に20g (ホエイプロテイン100%)
- 22:00 寝る前に20g (ホエイ:カゼイン=1:3)
このプランだと1日80gのプロテインを飲むことになりますが、必要量は個々によって変わるので適宜増減させます。
「朝起きてすぐ」と「筋トレ後」のタイミングは、タンパク質の迅速な消化・吸収が必要なので、ホエイプロテイン100%で飲むようにします。
また、寝る前は持続的なタンパク質(アミノ酸)の供給が欲しいので、カゼインプロテインを多目に飲むようにしましょう。
ホエイプロテインは分岐鎖アミノ酸(BCAA) (イソロイシン、ロイシンとバリン)が豊富な自然の供給源です。Jarrow Formulasホエイプロテインは1さじ(23 g)で約4 gのBCAAを提供し、1グラム当りの量で市販品の中で最高クラスのBCAA供給源です。Jarrow Formulasホエイプロテインは必須アミノ酸が豊富(1回分≥8.5 g)で、卵と同等で最高クオリティのタンパク質供給源の1つになっています。
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