烏口腕筋の解剖学と関連症状

上腕には4つの筋肉があります。

  1. 上腕二頭筋
  2. 上腕筋
  3. 烏口腕筋
  4. 上腕三頭筋

上腕三頭筋以外は上腕前面にある筋肉です。

上腕二頭筋の下層の遠位部に上腕筋、近位部に烏口腕筋があります。

解剖学(起始・停止・作用・神経支配)

起始:烏口突起(肩甲骨)

停止:上腕骨内側中央

作用:肩の屈曲、内転

神経支配:筋皮神経、C5-C7

 

 

筋皮神経の絞扼障害

烏口腕筋の筋腹を筋皮神経が貫通しています。

従って、烏口腕筋において筋皮神経の絞扼障害が発生することがあります。

筋皮神経は烏口腕筋を出た後、上腕二頭筋と上腕筋の間を下行し外側前腕皮神経になります。

外側前腕皮神経は前腕外側の知覚支配領域を持っており、烏口腕筋において筋皮神経が絞扼されると前腕外側に知覚異常が現れます。

また、筋皮神経の支配筋は上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋です。従って、筋皮神経の絞扼による運動障害では肩と肘の屈曲の筋力低下が起こります。

 

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