筋皮神経の走行・機能・絞扼箇所・関連症状

 

走行

筋皮神経(きんぴしんけい、musculocutaneous nerve)はC6-C7頚神経由来の末梢神経です。

腕神経叢の外側神経束から出た後、上腕近位部では烏口腕筋の筋腹を貫通しています。

そして、上腕遠位部では上腕二頭筋と上腕筋の間を下行し、肘関節の約2㎝近位において筋膜孔から皮下に出て外側前腕皮神経になっています。

腋窩

筋皮神経は腋窩において、腋窩動脈の外側を並走しています。

上腕

上腕近位部では、烏口腕筋の筋腹を貫通し、遠位部では上腕二頭筋と上腕筋の間を外下方へ向かって走行しています。

肘関節の近位2㎝付近の筋膜孔から皮下に出た後、外側前腕皮神経となり前腕外側の知覚を支配しています。

機能

知覚

筋皮神経は上腕二頭筋と上腕筋の間から出た後、外側前腕皮神経になります。

外側前腕皮神経は前腕の外側に知覚支配領域を持っています。また、外側前腕皮神経は肘関節の関節包にも支配があります。

運動

筋皮神経の支配筋は以下の通りです。

  1. 上腕二頭筋
  2. 上腕筋
  3. 烏口腕筋

従って、肩と肘の屈曲の作用を持っています。

関連症状

筋皮神経の絞扼障害により、以下の2つの症状が現れる可能性があります。

  1. 前腕外側の知覚異常(痛み、痺れ、感覚鈍麻など)
  2. 肩・肘の屈曲の筋力低下

絞扼箇所

筋皮神経の絞扼部位は以下の2か所あります。

  1. 烏口腕筋
  2. 上腕二頭筋と上腕筋の間

筋皮神経の末梢にある外側前腕皮神経は、肘関節の近位2㎝付近にある筋膜孔にて絞扼されることがあります。

関連動画

 

解剖学の勉強に必須の書籍

イラストの美しさと解剖学的正確さで世界的に定評のある『ネッター解剖学アトラス』の第6版。 今改訂では図の追加・入れ替えに加え、各章末に主要な筋の起始・停止などをまとめた表が掲載。

これまで以上により深い知識を得ることができるようになった。また、前版で好評であった学習サイトStudent Consult(英語版)も引き続き閲覧可能。

学生、研究者からすべての医療従事者に支持される解剖学アトラスの決定版(アマゾンより)

 

大好評のプロメテウス解剖学アトラス、解剖学総論/運動器系が待望の改訂。美麗なイラストに的確な解説文を組み合わせた従来の良さ・強みを残したまま、図版の配置や解説文の推敲を重ね、さらなるわかりやすさを追求している。

医師・医学生にとどまらず、全ての医療職の方々から支持される理由は、手に取れば自ずと理解されるだろう。さらに洗練された解剖学アトラスの最高峰。プロメテウスの進化は止まらない(アマゾンより)。

関連記事

正中神経はC4-T1脊髄神経由来の神経です。腕神経叢の内側神経束と外側神経束が合流した後、上腕部で正中神経となります。その後、前腕部を下行し前骨間神経と正中神経掌枝に分岐します。

関連記事

走行 正中神経はC4-T1脊髄神経由来の神経です。 腕神経叢の内側神経束と外側神経束が合流した後、上腕部で正中神経となります。 その後、前腕部を下行し前骨間神経と正中神経掌枝に分岐します。 前骨間神経は方形回内筋に終始し[…]

 

坐骨神経はL4-S3脊髄神経が束になった後、大坐骨孔を外に出ます。その後梨状筋の下、坐骨結節の外側を通り、大腿後面、下腿後面へと下行していきます。大腿後面において、脛骨神経と総腓骨神経に枝分かれしています。

関連記事

坐骨神経について以下の項目を解説しています。 走行 支配筋 坐骨神経痛 絞扼箇所 坐骨神経の走行 坐骨神経はL4-S3脊髄神経が束になった後、大坐骨孔を外に出ます。 その後梨状筋の下、坐骨結節の外側を通り、大腿後面、下腿[…]

記事はいかがでしたか?

こちらには記事を読んでいただいた方にもっとも適した広告が表示されます。

最新情報をチェックしよう!