腎臓に悪い食べ物

腎臓に悪い食べ物

腎臓は身体の毒素をフィルタリングする働きを持っています。また、ホルモンの分泌、ミネラルバランス、身体の水分量の調整の役割もあります。

腎臓の働き

  • フィルタリング
  • ホルモンの分泌
  • ミネラルバランス
  • 水分量の調整

よって、腎臓がダメージを受けると、フィルタリングが働かなくなるので、身体中に毒素が巡り、水分量の調整ができなくなるので浮腫み(特に手足や顔)が現れます。

腎臓の機能が低下すると、高血圧や糖尿病のリスクが高まります。また、飲酒、心臓病、C型肝炎などは、腎臓病を引き起こす可能性があります (Rumeyza Kazancioğlu: 2013, http://bit.ly/3292NLu)。

よって、腎臓の機能が低下している場合、食べ物には細心の注意が必要になります。それにより、腎臓へのダメージを低減させることができるし、腎機能を改善させることも可能です (Chaudhary Muhammad Junaid Nazar: 2013, http://bit.ly/36tIVWH)

腎臓に負担をかける栄養素は以下の4つです。

  1. リン
  2. カリウム
  3. ナトリウム
  4. タンパク質

従って、腎臓への負担を軽減するためには、上記4つの栄養素を多く含む食品を避けるのが大切です。

それでは、腎臓へのダメージを低くするために、避けるべき食べ物をご紹介していきます。

 

炭酸飲料

コカ・コーラなどの炭酸飲料には、大量の砂糖に加え食品添加物がてんこ盛り状態です。そして、食品添加物にはリンが大量に含まれています。

リンを添加することで、風味を良くし、賞味期限を延ばすことができます。

添加されたリンは、肉類や野菜類に含まれる自然のリンに比べ、人体に吸収されやすいと言われています (Adamasco Cupisti, 2013 Mar, http://bit.ly/2PtssLW)。

また、添加リンは食品成分表に記されていますが、製造元はその分量を示さなくても良いことになっています(従って、分量までは明示されていない)。
ただ、コカ・コーラに添加されているリンは200㏄当たり50㎎から100㎎と言われています。コップ2杯のコカ・コーラ(400㏄)で100㎎から200㎎のリンを摂ることになってしまい、これは腎臓の健康にとっては良くありません。
アボカド
アボカドには、良質な脂肪(心臓の健康に良い)、食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれており、健康にとってとても良い栄養素です。
しかし、腎臓に問題がある場合、避けなければなりません。
なぜなら、アボカドにはカリウムが多く含まれているからです。1カップ(150g)のアボカドには、なんと727㎎ものカリウムが含まれています。
これは、中くらいの大きさのバナナに含まれているカリウムの2倍の量です。
従って、腎臓に負担をかけたくないのなら、アボカドを摂らないようにしましょう。

缶詰

缶詰には大量のナトリウムが含まれています。よって、缶詰も腎臓病の人は避けるべき食べ物です。
ちなみに、ナトリウムを添加することで、防腐効果があるので保存期間を長くすることができます。
ただし、缶詰の中には『食塩不使用』のものもあります(少ないですが)ので、もしどうしても必要なら食塩不使用の缶詰を選ぶようにしましょう。

パン類

腎臓に問題がない人の場合、精製された小麦がつかれているパンや食パンよりも、全粒粉パンがおすすめです。なぜなら、全粒粉パンの方がビタミン・ミネラル、さらに繊維質が豊富に含まれているからです。
しかし、腎臓に問題がある人の場合、食パンの方がおすすめです。その理由は、リンとカリウムの含有量です。
例えば、30gの全粒粉パンには、リンが57㎎、カリウムが69㎎含まれています。

全粒粉パンと食パンのリン・カリウムの含有量比較

全粒粉パン;リン=57㎎、カリウム=69㎎
食パン;リン=28㎎、カリウム=28㎎

一方、食パンにはリンとカリウムが28㎎づつ含まれています。
また、ナトリウムは全粒粉パン、食パンに関わらず比較的多くの量が含まれていますので (Coyne KJ, 2018 http://bit.ly/2JMel0O)、食パンを選ぶときはナトリウムの含有量の少ないものを選ぶようにしましょう。

バナナ

バナナ

バナナには大量のカリウムが含まれています(中程度の大きさのバナナで、422㎎のカリウム)。

腎臓に負担を賭けたくなければ、1日のカリウム摂取量は2000㎎以下が望ましいので、バナナを食べてしまうとこの基準を守るのがかなり厳しくなってしまいます。

バナナだけでなく、他の果物にもカリウムが豊富に含まれています。

しかし、パイナップルは果物の中でも比較的カリウムの含有量は少ないので、腎臓に問題がある人のチョイスとなります。

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乳製品

乳製品
乳製品には、リンとカリウムが多く含まれています。
1カップの牛乳には、リンが222㎎、カリウムが349㎎も含まれています。
腎臓に機能低下がある人が、牛乳を大量に飲むと骨密度の低下を招く恐れがあります。
通常、牛乳にはビタミンDやカルシウムが多く含まれているので骨を丈夫にすると言われています。
しかし、腎臓病の人の場合、牛乳を飲むことでリンの血中濃度が上昇してしまうため、逆に骨密度の低下を引き起こします (Kathleen M. 2017, http://bit.ly/34vvW4P)

また、乳製品には多くのタンパク質も含まれており、これも腎臓に負担をかける可能性があります。

 

オレンジ

オレンジやオレンジジュースは、ビタミンCが豊富に含まれていることで知られています。しかし、カリウムも多く含まれています。
大き目のオレンジ1個(184g)には、カリウムが333㎎、1カップのオレンジジュースにはカリウムが473㎎含まれています。
従って、腎臓に負担をかけたくない場合、オレンジ(またはオレンジジュース)は避けましょう。

いも

いもにはたくさんのカリウムが含まれています。
中程度の大きさのいも(156g)には、カリウムが610㎎も含まれています。
しかし、どうしてもいもが食べたいという場合、水に浸けておくと良いでしょう。
いもを小さく切り、10分程度沸騰したお湯の中に入れます。それだけで、50%ほどのカリウムを減らすことができます (Bethke PC, 2008, http://bit.ly/2JLhA8x)。

トマト

トマトにもカリウムが多く含まれています。
特に注意が必要なのが、トマトケチャップの中に含まれているカリウムの量です。
1カップのトマトケチャップには、カリウムが900㎎も含まれているからです。

インスタント食品

インスタント食品には、大量のナトリウムが含まれています。
カップラーメンや冷凍食品(電子レンジで即席調理できるもの)などは、特にナトリウムがたくさん含まれています。
よって、インスタント食品を食べていては、一日のナトリウム上限である2000㎎を維持するのが、難しくなってしまいます。
それだけでなく、インスタント食品は高カロリーですが、栄養価はとても低く、たとえ腎臓に問題がなくても、食べるべきではありません。

ドライフルーツ

ドライフルーツ
ドライフルーツには大量のビタミン・ミネラルが含まれています。特にカリウムの量はとても多いです。
例えば、1カップのドライプルーンには1274㎎のカリウムが含まれています(ちなみに、同量の生プルーンの5倍のカリウム量)。
よって、腎臓に負担をかけたくなければ、ドライフルーツは食べないようにしましょう。

菓子類

菓子類には大量の塩分が含まれています(つまり、大量のナトリウム)。

また、誰でも経験があるかと思いますが、食べ始めるとついつい食べ過ぎてしまいます。

さらに、チップスはいもから作られていますので、ナトリウムだけでなくカリウムも大量に含まれています。

腎臓にとっては最悪な食べ物です。

 

まとめ

腎臓病を患っているなら、カリウム、リン、ナトリウムの摂取量をできるだけ抑えることが大切です。

上記でご紹介した食べ物は、全てカリウム、リン、ナトリウムが大量に含まれているので、避けた方が良いでしょう。

ただし、これらの栄養素の上限は、腎臓病の程度によって変わります。自分で判断せず、主治医に必ず相談されることをおすすめします。

 

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参考文献

  1. Rumeyza Kazancioğlu: Risk factors for chronic kidney disease: an update. . 2013 Dec; 3(4): 368–371 (http://bit.ly/3292NLu).
  2. Chaudhary Muhammad Junaid Nazar: Significance of diet in chronic kidney disease. . 2013; 2(2): 37–43 (http://bit.ly/36tIVWH).
  3. Adamasco Cupisti and Kamyar Kalantar-Zadeh: Management of Natural and Added Dietary Phosphorus Burden in Kidney Disease. Semin Nephrol. 2013 Mar; 33(2): 180–190 (http://bit.ly/2PtssLW).
  4. Coyne KJBaldridge ASHuffman MDJenner KXavier D3Dunford EK: Differences in the sodium content of bread products in the USA and UK: implications for policy. 2018 Feb;21(3):632-636 (http://bit.ly/2JMel0O). 
  5. Kathleen M. Hill G and David MS: Calcium Balance in Chronic Kidney Disease. . 2017; 15(3): 214–221 (http://bit.ly/34vvW4P).
  6. Bethke PCJansky SH: The effects of boiling and leaching on the content of potassium and other minerals in potatoes. 2008 Jun;73(5):H80-5 (http://bit.ly/2JLhA8x). 

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